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フットウエア・プレス  2003・2
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2003年春夏バッグトレンド

大人っぽいカジュアルにシフト
 これといった売れ筋がない状況の続いた2002年後半。中にはトラベル系の完全復活、低迷からやや盛り返す気配があるショッピング系など、明るい兆しが見え始めた部門もあったが。
 ただ03春夏シーズンも言えるのは、一つひとつのアイテムに対して価値感が吟味され、持つ人までもイメージ出来る顔をしていることがポイントに。中途半端なモノ作りでは決して支持されない時代になったことは間違いない。


【全体傾向】
「カッコいい女性」のイメージ
数年続いたガーリッシュ&コンサバエレガンスの流れがここにきて落ち着きを見せ、代わって浮上してきたのが甘さを抑えたディテールと、ややユニセックスなスタイリングになってきている。カジュアルゾーンでもワーク&ミリタリーといったキーワードが脚光を浴びている。少女らしさ(ガーリー)から大人っぽさへと大きくシフト。
 
スポーティテイストの浮上
去年の夏〜秋にかけて浮上した「ラコステ」や「アーノルドパーマー等のワンポイント系スポーツブランドが春になって再び復活。レトロなスポーツテイストが服飾雑貨の方にも浸透・拡大する。あくまでもテイスト&ディテール取り入れでスポーツらしさを表現することがポイント。

【素材傾向】
大胆なプリント、新しい型押し
春夏らしい元気なプリント系が期待される。前期は北欧調が目立ったが、今年は北米や西欧など地域は様々。特に大柄でハッキリした色使いのものが人気。フォルムはベーシックでも、柄のインパクトで存在感のあるアイキャッチに使えるものだ。型押しも増え、革だけでなくキャンバスに押したタイプも登場。「価値感のある伊プリント素材をぜい沢に使って他が出来ないモノ作りをしたい」((株)ドアン、土庵社長)という狙いもある。

上品になって光沢感が復活
ここにきて再びキラキラ系の光沢素材が復活している。今シーズンは主張し過ぎない上品で落ち着いた光沢感が特徴だ。ゴールド、シルバー、ブロンズなど金属系、細かいラメ吹きつけ、金糸銀糸の編み込み、アンティークビーズやチェーン使いなどで表現されている。「フォーマルシーンだけでなく日常のジーニングスタイルにも合いそうなカジュアルなフォーマルバッグが広がりそうです」((株)サック・プレス松田さん)

定番素材はひとひねりした加工に
コットンや帆布などは定番素材として継続するが、今年はひとひねりある素材感がポイントになる。アパレルと関連させて、シワ加工、ねじり・ひねり加工、シルキー、シフォン、フロッキーなどが注目。またレザー系でのヴィンテージ調、パンチング、レザーカット等も継続している。

ナチュラルから非ナチュラルへ
エコロジーレザーに代表される、自然に優しいナチュラルな素材を使ったバッグ作りが話題となった昨年だが、その志向が行き渡る中で反動も生じており、今年は徐々に非ナチュラルな方向へもシフトしている。ここでは久々にナイロンの復活が期待される他、ビニールコーティング、合皮メッシュ、カラーチュールなどポップなものも登場している。「顔料染めのカラフルな革をあえて使いました。最近はこのツルっとした質感がいいなと思います」((株)高屋・デザイナー石井さん)」

【カラー傾向】
ペール&グレイッシュトーン浮上
プリント系では元気な大胆柄が目立っているが、全体的なカラーリングではグレイッシュトーンが浮上しそうだ。ここではパステル調と違って大人っぽい雰囲気に溶け込むトーンが新鮮だ。グリーンやピンクなどにもこのグレイッシュが混ざり、落ち着いた色目に変わってきている。

元気なスポーティカラー
去年のマリン系でトリコロールカラーが拡大したが、今期はスポーティの流れとアメリカの星条旗カラー(紺・赤・白)の注目で強いコントラストの色コンビが浮上しそう。「トミー・ガール」などのセクシースポーツブランドでも既に多用しており、はっきりした分りやすいカラーリングにティーンが注目しそうだ。

【フォルム・ディテール傾向】
ショルダー継続、リュック、ボンサック注目
 昨年と同様、ショルダー系は引き続き人気フォルムであるが、その流れから派生してボンサック、ワンショルダー、リュック系が復活の兆し。春夏に注目されるスポーティの流れもあって、これらのフォルムがにわかに脚光を浴び始めた。特にリュックは潜在需要度の高い穴のアイテムでもあるので、新しい提案が待たれている。

素材や表現でソフト感をアピール
全体的にすっきりした大人っぽいフォルムが増える中で、優しいソフト感で女性らしさを出すところが多い。ソフトな衣料革や手袋革の使用、ソフトメッシュやニット、タック寄せ、インナーの巾着使いなど。微妙な触り心地にこだわった加工技術など、シンプルな形でも触感で訴えるものも。

遊び感覚のある小さめがトレンド
 パーティバッグをカジュアルに持つというスタイリングから、小型サイズが再浮上。普段使いのバッグとの二つ持ちになりそう。今までは全ての荷物を一つにまとめる、大きめのオールインワンタイプが主流だったが、親子バッグの一般化などで付属のミニバッグも注目されている。親バッグはベーシックで使い易く、ミニバッグは遊び感覚でと、二つを使い分けられると楽しい。

【春の売場の作り方】
おしゃれミセスで単価アップを
 ショッピング系不振がたびたび聞かれるが、逆を考えれば革ものは好調だったと言える。低価格品の依存から脱して、価格MDを見直したい。特におしゃれな新世代ミセス(30〜40代)向けの、機能的にも優れたカジュアル系が単価アップの狙い目になりそう。

メリハリのある売場演出に心掛ける
 今はバッグだけで埋め尽くされた売場は支持されにくくなっている。スポット的に小物があったり、コーディネイトされたボディが配置されるなど、売場のメリハリが一層、演出に不可欠になってくる。





「ムスタッシュ」(ハーヴェスト


「アートディレクト」(井野屋)


「フレームワーク」(プリンセストラヤ)


「カシュカシュ」(アンビリオン)


「サック」(サック)


「ラ・プレイアード」(井野屋)


「ラ・プレイアード」(井野屋)


「ニュートラルグレイ」(高屋)


「トゥルクォーボ」(サック)


「ル・サック・アダム」
(ル・サック・アダム)


「ポワロ」(ハーヴェスト)


「ラウゴア」(ラウゴア)


「ニュートラルグレイ」(高屋)


「ダコタ」(プリンセストラヤ)