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フットウエア・プレス  2003・5
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データ 縮小する靴小売市場
販売額7187億円はピークの91年比69%規模に
ここでは商業統計から靴店(はきもの店を含む)の実態を82年から時系列で見る。同時に、バッグ専門店(カバン店、袋物店)婦人アパレル店(子供服店を含む)と比べて見る。
94年以降、下がり続ける靴店の年間販売額


最新の集計データである2002年の靴店の年間販売額は7187億円、前回集計比(99年)86%と大幅に下げている。
 この販売額は20年前の82年を下回っている。販売額のピークはバブル末期の91年であり、1兆444億円、88年比116%、と2ケタ台の伸び率を記録していた。2002年の販売額をピークの91年と比べると、31%のマイナスである。
 この20年間で2ケタ台の伸びは91年だけ。また、前回集計から伸ばしたのはこの91年とバブルの始まった頃の88年のみ。94年からはずっと下がり続けている。
 婦人アパレル店の2002年の販売規模は4兆9598億円。靴店のおよそ7倍の販売規模である。しかし、靴店以上に厳しい販売状況下にあり、99年比82%は靴店を上回る下げ幅になっている。
この婦人アパレルと靴店を比べると、販売のピークが91年であることは同じだが、アパレル店は99年で伸ばしており、バブル以降、右肩下がりで来ている靴店とは違う。この2002年の対91年比は76%であり、靴店よりは7ポイントほど下げ幅は少ない。また、アパレル店の2002年の数字は、過去20年間では3番目に低い数字であり、前回比が上回っているのが、4回あるのも異なる点だ。
バッグ店を見ると(99年集計はなし)、2002年の販売金額は4391億円。この規模は靴店の6掛けほど。販売のピークは97年の5660億円。85年以降、97年までずっと右肩上がりで伸びてきており、バッグ店のバブル末期は97年であった。2002年の販売実績はピークの97年比78%で、靴店に比べると、22%のマイナスと下げは小さい。

1店舗当たり販売額はバッグ店を下回る4856万円
1店舗当たり平均の販売実績で見る。
2002年の靴店1店舗当たりの販売額は4856万円。対99年比101%と伸ばしている。総店舗数の減少と大型店舗が増えてきていることが背景として考えられる。総販売額のピークは91年であったのに対して1店舗当たりの販売額のピークは97年である。その額は5169万円であった。2002年はピーク時のマイナス6%にとどまっている。
アパレル店の1店舗当たりの平均販売額は、2002年は5936億円、99年比85%であった。

アパレル店の1店舗当たり販売額のピークは99年であり、6983万円。
1店舗当たりの靴店との販売額の差は1000万円ほどである。バッグ店の1店舗当たり販売額は、靴店と同じように97年までずっと右肩上がりで伸ばして来たが、2002年は7086万円、対97年比82%と下げてきている。しかし、7000万円台の販売規模は靴店の1.5倍、アパレル店の1.3倍と高い。これは専門店の数が市場規模に対して少ないことによる。



靴店の店舗数は20年間で半分以下に減少
靴店の店舗数はこの20年間、8〜10%の割合で下がり続けてきた。これが2002年では1万4798店舗、99年比15%の減少となった。82年と比べてその数は半分以下になっている。この間、チェーン店の店舗網拡大があり、単独店、中小店の減少率は、数字以上のものと考えられる。
このように減り続けてきたのは靴店のみで、アパレル店、バッグ店では増加している年もある。
また、両業種とも2002年の店舗数は82年を上回っており、靴店の減少が顕著に表れている。靴店のデータにははきもの店の数字もふくまれているものの、高い率での減少になっている。 ちなみに82年にバッグ店、靴店、アパレル店の店舗数の比率は1対5対12であったのに対し、2002年のそれは1対2対13になっている。