今月の記事 ピックアップ  2003.7
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「トラベル プロショップ トコー」(東京・千代田区)
「旅と健康」をテーマに旅行用品をトータルに扱う

トコー」外観
●用途別のバッグと靴を接客販売
 「トラベル プロショップ トコー」は、JR有楽町駅前の東京交通会館に開店して36年になる。運営は潟gコーの海外旅行用品専門店事業部。東京都旅券課(パスポートセンター)に隣接する。その立地を生かし、「旅と健康」をテーマとした旅行用品を100坪弱の売場でそろえる。
スーツケースを含むバッグ売場は店内の3分の1以上を占め、売上げ比率は全体の40%になる。以前は売上げの半分以上を占めていたが、イラク戦争やSARS流行などによる旅行客減少や競合店の増加により比率が下がっている。
靴の扱いは全体の3%で、ほか海外用電化製品や健康食品、ガイドブックなど。売上高は、今年は旅行客減少の打撃を受け、例年になく厳しい。
 ケースは「サムソナイト」「リモワ」「マルエム」などを扱うほか、「リネアボールド」(インポート/イタリア)など珍しいブランドもそろえる。中心価格は3万円台。バッグでは「ポーター」「ラガシャ」「アイムプロダクト」など、2万円前後のものが中心。
また店内奥では全13ブランドのガーメントバッグ(スーツを入れる折りたたみのバッグ)を展開。「当店の特徴のひとつは、ガーメントを豊富にそろえていることです」と山本丈夫店長。
周辺には百貨店や同業のトラベル用品専門店が数多く、差別化対策が欠かせない。ガーメントのほか、パイロットケースなど他店ではあまり扱っていない商品もそろえ、逆にタウンユースなど他店で数多く並べるものを控えている。「旅が切り口の専門店ですので、ファッション性・実用性はもちろんですが、やはり安全性を重視しています」(山本店長)。
 立地柄、商圏が広く来店客層は幅広いが、中心購買層は40代。

●ベテランの接客で靴目当てのお客増やす

靴の品ぞろえも旅が切り口。10年くらい前から靴を導入しており、少しずつ品数を増やしてきた。ブランドは「ペダラ」「ベアー」など6〜7社の商品をそろえる。ユニバーサルデザインの「モビリタ」(月星化成)も扱う。「店のテーマに合わせた上で、普通の靴店にあまり並んでいないもので、ニーズのある商品を取り扱いたい」。
また冬になると一般の売場からは春夏商品は姿を消すが、ここでは季節に関わらず店頭に出す。ハワイなど常夏の地に旅するお客もいるからだ。雪道での滑り止め防止用品なども、靴のそばに並べておく。

シューズコーナー。店内に3ヵ所ある
扱い数は35アイテムだが、コーナーを店内3ヵ所に分散させ、同じものをいくつか置いているため店頭足数は100足ほど。広い店内で、なるべく多くのお客の目にとまるよう工夫している。
 スタッフ17名のうち靴担当は5名で、新しい人でも社歴は約10年というベテランぞろい。シューフィッターは取得していないが、週1回の勉強会ではメーカーからの資料をもとに商品知識を学ぶ。クレームなどもほとんどない。
フィッティングでは長距離歩くことを前提に、痛みを緩和する調整用パッドや外反母趾サポーターを勧める。「はじめから靴目的で来るお客様は少ないのですが、一度購入された方が靴を目当てに再来店することはとても多いですね」(シューズコーナー担当、隈部慶雄係長)。
靴店のように品数は多くないが、それがかえってお客には見やすく選びやすいのではないか、という。専門店ではないといえ、ほぼフルサイズをそろえている。サイズ欠けは「お客様をとても失望させてしまうので」、欠かさないよう努める。
靴を扱うデメリットはありません、と山本店長。販売足数はシーズンにより波があるが、多い月で100足ほど。今後は点数を増やし、さらに伸ばしていきたいという。

バッグ売場は店内の3分の1以上
●ホームページで効率よく販促

バッグも靴も接客販売が基本。お客の要望はもちろん、旅先や日数を細かく聞き、現地に適した商品を選び出す。同店には旅行好きで海外情報に詳しいスタッフがそろう。全員が5年以上の勤務だ。
 旅行用品は予定のあるときに購入するものなので、DM発送のタイミングが難しい。年1回程度発送しているが、最も効率が良く遠方のお客も取りこめるのは、やはりホームページだ。
同店のホームページにはおすすめ商品や新商品の情報のほか、外務省海外渡航情報などのリンクもあり便利。今後はオンラインショップもさらに充実させていく。

▽「トラベル プロショップ トコー」=東京都千代田区有楽町2−10−1 東京交通会館2F
TEL 03−3213−8717
http://www.toko-ee.com