今月の記事 ピックアップ   2003.10
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バーカウンター風の演出のレジカウンター
レジオ(東京・新宿区)
欧州のオーセンティックな靴を、飲食店風のおもてなし空間で提案
 インポート卸のハーベスト(兵庫・宝塚市)が、2店舗目となる直営店を4月、大阪の北堀江に路面店でオープンした。1号店の「キックス」がスニーカーショップであるのに対し、「レジオ」はインポートの革靴で構成するショップである。
 出店した北堀江は、近隣の南堀江や南船場のようなファッション・スポットではないが、メーカー・卸の直営ショップやセレクトショップがポツポツと進出し始めている注目地区である。ハーベストではここで、20歳代後半〜30歳代のビジネスマンを対象に、クラシックかつモダンなヨーロッパのドレスを中心に、カジュアルも革使いの大人のレザースニーカーを打ち出している。

レストランダイニングのような照明

四つ角の角地に面して立つビルの1階にあるショップは「すてきな靴たちにとって居心地のいい店」をコンセプトに、古いコンクリートビルの外装はそのままに、大きなガラスウインドーを設け、ヨーロッパのような歴史やにおいの漂う空間作りを目指している。
 同店舗の設計には、これまで主に飲食店の設計を手掛けてきたデザイナーが参加した。このため、物販店舗には無いような構造も見られる。
 入り口を入った左側にあるレジカウンターもその一つ。L字に長く、天板がせり出したバーカウンター風の作りで、カウンターの前には椅子を置き、エスプレッソでもてなすことも行っている。また、靴箱が並ぶ壁面には、洋酒ボトルも並べ、バーの雰囲気を演出している。
 もう一つ、物販店舗と違っている点は、壁面に間接照明を設け、調光器で照度が調整できるようにしていること。レストランダイニングのような光のイメージを演出し、特に夜はゆったりとくつろげる光の中で商品を見られるようにしている。
 壁や天井はコンクリートむき出しで、床には建設現場の足場板を貼り、什器棚にブリキやスチール板を配置するなどハードなイメージがある一方、フロアにはぜい沢なレザー張りの大きなソファが、床には丸い木枠の足を映す鏡が置かれる。この意図的なアンバランスが、オーセンティックな中にモダンな靴を提案するレジオの商品ラインナップを引き立たせている。
壁面棚の太い柱の枠が売場を大きく見せている

正面右側の大きなウインドーには、
吊り下げられた什器が印象的だ
ソフトなイメージのソファーや鏡と、壁面のコンクリートのコントラストでアピールする。

照明に工夫を凝らした夜の入口周り 夜のウインドーを外から見る。ステージ下のイラストも目を引く
今後、注目のスポットになりそうな北堀江にある
DATA
オープン 2003年4月22日
敷地面積 15.5坪(実効10坪)
販売員数 4人(社員2人)
設計   ブラウンバッグ・ラボ/阿部信吾
施工   (株)オネス
グラフィック AQU/吉村光弘
素材   床/足場板クリアラッカー塗装
     壁面・天井/コンクリート
     棚/栓クリアラッカー塗装
店舗住所 大阪市西区北堀江1-9-6
電話番号 06-4390-4114

 
     丸数字は写真番号、矢印は撮影方向