今月の記事 ピックアップ   2004.1
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2004年
春夏バッグトレンド 1(株)ジャスミック 川崎 智枝
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ソフトなフォルムが定着。
明るく、光沢感のある素材で展開


11月の04年春夏展で、来春夏の傾向が出そろった。これまでカジュアル一辺倒の流れだったが、ここ数シーズン、徐々にエレガントなエッセンスを取り入れてきている。今回は商品のトレンドを見る。
【カラー傾向】
●明るくポップなプリント表現
03AWから言われている60年代レトロ調は、バッグでは様々なプリント表現として登場する。ビビッドカラーや光沢感など、暗い景況を吹き飛ばすかのようなポップなムードが春には欠かせない。サイケデリック、幾何学、カラーブロッキング、ドットやサークル、マルチストライプなど、明るい色目を用いたプリントが一押し。アニマル柄(ゼブラ、ダルメシアン、ヒョウなど)も復活の兆し。

●ホワイト×ブライトカラー
 前春夏は白がキーカラーだったが、今年は白×ブライトカラーのコンビ使いが浮上。彩度が高く、ダークな色を混ぜないピュアな発色がポイント。その中でも特に白×ブルーは、コバルトブルー、スカイブルーといった抜け感のある鮮やかなタイプが多く出ている。売場でも春の立ち上がりはブルーを切り口に提案が基本に。

●イエロー、ピンクのパステル
 ブライトカラーばかりでなく、定番のパステル系など優しい色も必須。パステルを多色使いしたレトロなプリント、モノトーンとのコンビなどはボリュームゾーンまで拡大しそう。特にイエロー、ピンクが新鮮。

「ワンズハート」レガロ 「エクゾチカ」ペタ 「アートディレクト」井野屋 「ELLE」プリンセストラヤ

【素材傾向】
●光沢素材は進化、継続
すでに3シーズン目に突入している光沢系も、来春は再アレンジされて続きそう。特にエナメル調のバリエーションが増加し、シワ加工やひび割れ加工、マット調などが目立った。他にもシルバーやブロンズの箔加工、サテン、ナイロン、フォログラムといった、ツヤツヤからキラキラまで様々な光る素材感が提案。メッシュやカゴなどにもラメコーティングなどの工夫が。

●クロコ、パイソンをカジュアルに
 付属使いからゾッキまで、クロコやパイソン、オーストリッチなどのゴージャスなイメージの素材が春にボリューム化。リアルから型押しまで価格帯も様々。ただ従来のようにかっちりしたエレガンス調だけでなく、ユニセックスからタウン系までカジュアルアイテムに気軽に取り入れられるのが今シーズンの特徴。

●スポーティー感覚の革×ナイロン
 革はナチュラル一辺倒の流れから、スポーティーでモダンな雰囲気をプラス。特に革×ナイロンなどスポーティー感覚のコンビが注目。ゾッキではシュリンク加工やナッパ調などソフト感と軽さが表現される。前述のブライトカラーを差したり、エナメルや型押し、カットワーク、転写プリント、洗い加工などの遊び感覚が加わる。

「ViaDOAN」ドアン 「ダコタ」プリンセストラヤ 「OZAM」ペタ 「アンチフォルムデザイン」井野屋

【フォルム・ディテール傾向】
●ボストン型が多彩なデザインで
 特に今シーズンはスポーツとレトロの流れを受けて、ボストンのバリエーションが多く出ている。スクエアなスポーツボストン、一本手タイプ、トートに天ファスナーが付いたようなものまで、これもボストン? と思えるような形が増えた。エレガンスではコロンとした横長のボックス型、口枠タイプなども浮上。

●外ポケット、外ファスナーで演出
 これもスポーティーの流れ。ミリタリージャケットのようなフラップポケットや箱ポケットをアクセントにしたデザインにも注目。ファスナーをあえて斜めにあしらってシャープな雰囲気を出したものも。

●巾着タイプも表情が多彩に
ソフトフォルムが定着し、口元をくしゅっと絞る巾着タイプが浮上してきた。ヒモの絞り具合で表情が変化するのが魅力。一本手の肩掛けショルダー、手提げ、斜め掛けポシェットなど形も豊富。

「ViaDOAN」ドアン 「マフィアデザイン」レガロ