今月の記事 ピックアップ   2004.3
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2004年
 (株)ジャスミック 川崎 智枝

カラー、素材のバリエーションをさらに付加価値の高い商品で提案
1月展が終了し、盛夏の傾向が出そろった。11月展と際だった違いはないものの、鮮やかな色みや春らしいポップなプリントが確実に実売につながりそう。価格帯を少しづつアップさせるところが増え、付加価値の高い商品群もそろい始めている。
【注目素材&ディテール】
●カラフルな革ものがボリューム化
パート1でも取り上げたが、1月展でも各社プッシュしていたカラフルなレザーカジュアルがボリューム化の兆し。「従来の定番の型をホワイトやパステル系にチェンジしてみました。雰囲気が一気に軽くなるので、実売として確実に動きそうです。」(ディヴィジョン零・コンポラコントゥ担当・加藤さん)。
また革ものもメッシュやパンチングなどのオープンワークも必須。メッシュの変わり編み、異素材コンビ、様々な形のパンチングなどバリエーションも増加。若々しい雰囲気がポイント。

● クリア&キラキラ素材使いが急浮上
1月展でどっと登場したのがクリア素材。特に「ジェリーバッグ」と呼ばれる、半透明ビニールのバーキン風が、ジェリービーンズのようなポップな色合いが春にぴったり。また透明なビニール素材やコーティング系も様々に加工されて登場する。他にもキラキラした素材感、マットな光沢感など遊び感覚を取り入れたアイテムが例年になく増加。コンサバ系が台頭しているので若い客層がメインだが、意外と若々しいアイテムを求めるミセスにも受け入れられそう。

●ウオッシュ素材のラインアップが拡大
ユニセックス系カジュアルでは、継続ではあるものの依然人気なのが製品洗いをかけた革もの、帆布系。牛革、ピッグ、ポニー、キャンバス、ナイロンなども洗いをかけ、クタクタした芯のないナチュラルな質感が受けている。「レザーの洗い加工は当たりが良いです。リラックスした雰囲気が伝わるからかもしれません」(レガロ・デザイナー・伊藤さん)。このゾーンは客層も広くミセスまで広がりそう。



【注目アイテム】
●カジュアル提案できるジュエリーバッグ
キラキラ系の台頭で、小振りなジュエリーバッグ(宝石バッグ)が注目を集めている。メタルプレート、カラーワイヤー、ビーズ、スワロフスキー付きなど、普通ならフォーマルやパーティにしか合わせないものをカジュアルシーンでも取り入れるようになってきた。
「長いものと短いものの二種類のチェーンが付いているので、斜め掛けも手持ちもOKです。バッグというよりもアクセサリー感覚で、ジーンズなどのカジュアルにコーディネイトして欲しいですね。」(サック・プレス・松田さん)
ヤングミセスが子連れでジュエリーバッグを斜め掛けする姿も見かける。プチ・ゴージャスな気分に浸れるのもポイントかも。

●バリエーションの増えたカゴは春先から
ここ数年はシーズンアイテムが弱いのでカゴも落ち込み気味だったが、今年は全体に単価もアップし、付加価値の高いかわいいアイテムが増えた。盛夏ものというよりは、春先から使えるガーリッシュタイプと言えそう。特にカゴ×異素材コンビ(革付属、インナーバッグ、レース、リボン付き等)のバリエーションが台頭。メッシュと並び、大人っぽい雰囲気にも近づいている。

●ヒップバッグが復活、大人の女性にも提案
ここ数シーズンなりを潜めていたが、目立たないながらも店頭で確実に回転していたヒップバッグ。ここにきて再びヒップ周りのアイテムが注目されてきた。若い層に人気の高かったシザーズバッグをミセスが買い求める姿も。
今期、大人の女性が買えるシックなヒップバッグを企画して好評のメーカーもある。ショルダー&ヒップの2ウェイなどを改めて売場でアピールしたい。

●業態発想の売場展開では小物の充実を
バッグだけでなく、小物の展開を始めるメーカーが増えてきた。バッグとおそろい生地のポーチやシューズ、財布以外にもベルトやステイショナリー系などの小物、別注で作った一点ものアクセサリーなど、ベクトルも様々な方向へ向き始めている。
「革を裁断した後の断ち落としを何とか活かしたくて、今回はリングやブレス、ウォレットチェーンを革で作ってみました。バッグだけの売り場よりも楽しい雰囲気が出ると思います。」(ボーデッサン・生嶋さん)