今月の記事 ピックアップ   2004.8
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元気SHOP訪問  クイン クラシコ (神戸・三宮)
日本の男をおしゃれにしたい。
目標は8店舗、20億円の規模

おしゃれな靴のほか、バッグも

若いカップルも訪れる


セミオーダーにも対応している
20坪のメンズ専門店で年商2億円を達成
 売場面積約20坪の店で、年商2億円を上げているメンズシューズ専門店が神戸市にある。三宮から元町に続く高架下に店舗を構える「クインクラシコ」である。
 「商売をしている限りは、お金もうけをしないといけないのですが、お金もうけが第1なら、靴屋じゃなくてもいいわけです。本当に靴屋が好きで、お客さんのため、社員のためにこの商売をやっています。数字はうそをつきません。本当にやっていれば、数字は上がっていきます」と由井具規社長は淡々と語る(以下コメントは同社長)。
 イタリアのインポートものを中心にドレスからカジュアルまで展開。さらに、バッグ、時計なども扱っている。
靴では「サントーニ」「モレスキー」「ステファノ・ブランキーニ」「ジンターラ」など世界の名靴から、「クインクラシコ」のオリジナルブランドや3000円のサンダル、さらに、パターンオーダーも行っている。靴の主力価格は2万円前後。
価格の幅は広いが、それをチョイスする目は同じである。年に数回、ヨーロッパに出掛け、自分の目で直接、確かめる。これを入れればお客さんに"喜んでもらえるか"という判断基準で仕入れている。「これを入れたらもうかるか」というのはバブルのときはよかったかもしれないが、今は通用しないという。 

ウィンドウもこだわりをもって

スタッフのみなさん

カジュアルからドレスまで扱う

世界の名靴も充実

高級品への転換が、多くの支持を得る売場に

 同店に転機が訪れたのは01年。それまでは他と変わらない昔ながらの靴店だった。国産メーカーの倒産が続き、取引先が少なくなってきた。
 「うちもリーズナブルな価格帯の靴店にしようかとずいぶん悩みました。しかしそれでは大手チェーンの売場と変わらない。やはりうち独自の道を行くしかないと思って、現在の靴のセレクトショップのような方向へ進みました」。
 変えた当時は回りの知り合いやお客さんも心配し、その変化についてこられないお客さんや従業員は去っていった。1年くらいは売上げも低迷状態が続いた。「トンネルの中を走っている状態だったが、決して消極的にならないように心がけた」と振りかえる。
 2年後から快進撃は始まった。03年の売上げは前年比130%、今年はさらにアップ。3月には前年比200%を弾き出した。
 「来年はどうなるかわかりません。これに甘えることなく、自分の思っていることを追求していけば、まだまだ伸びると思います」。
 週1回、少ない時でも月1回、時間のあるときには、お店のスタッフたちと事務所で簡単なコンパを行う。そこでは、生き方や商売の話など、さまざまな"フィロソフィー"(哲学)が飛び交うという。
 クインクラシコのキャッチフレーズは"男がちらっと見る男"。
「日本の男をおしゃれにしたいと思っています。30代、40代の男性が元気を出さないとだめです」。
当面の目標はこの店を年商2億5000万円にすること。そして、08年までには8店舗展開、年商20億円を目標としている。

(ジャーナリスト・浅原孝子)

クインクラシコ= 神戸市中央区北長狭通2-31-69
TEL 078・331・3510