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フットウエア・プレス  2005・10
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(株)チヨダ社長

   舟橋政男氏
オリジナル中心の商品開発で 粗利率アップを目指す
店舗のスクラップ&ビルドで効率化を図るチヨダ。メガストア業態の「シュープラザ」を積極出店するほか、PBの商品開発にも本格的に着手し始めている。現状と今後について舟橋社長に聞いた。

粗利率1ポイントは
売上げの3ポイントに匹敵

――店舗のスクラップも落ち着き、売上げが微減〜横ばいから微増に移行しつつあるようにみえるが。
舟橋 当社は80年代後半のバブル期までに売上高2000億円、総店舗数1800店舗規模まで膨らんだ。バブル崩壊で方向転換を図ったもののコンパクトにするには大変な努力と時間が掛かる。いわば超肥満体質を筋肉質にするのが難しいということだ。現状では微増収・中増益の継続的な達成を当面の課題とするが、まだ肥満体に近い。
――前期から今期上半期にかけての販売状況は?
舟橋 昨夏は上代2900円のメンズサンダルの出足が好調とみるや、迅速な対応で商品を確保し、集中的な販売で成功した。しかし秋冬になると様相は一変。台風、大雨、地震といった相次ぐ天災の影響で非常に厳しい状況だった。特に12月のダメージが大きく結果的に取り戻せていない。年明けの1月は雪寒地用シューズの需要が好調で若干盛り返した。
今第1四半期は3月こそ天候不順で悪かったが4、5月は前年並みで2ケタの増益を果たした。6、7月は前年を上回っており回復基調にある。
戦略として取り組んでいるのがPB(プライベートブランド)の強化などによる粗利率の向上だ。上昇幅は年率1〜1・5ポイントを目標にしているが、その分売上げが下がったら元の木阿弥になる。粗利率1ポイントが売上げの3ポイントに匹敵することから、売上げの減少を2ポイントまでに抑えることが重要になってくる。



新業態「エリカ」の店頭
好調のPB「ハイドロテック」は今期43万足を見込む
――粗利改善と差別化のためにPB「ハイドロテック」を積極展開しているが。
舟橋 過去、当社でもブランドネームの登記はたくさんしているが、ただのネームとブランドは違う。その中にあってブランディングまできっちり行い、ブランドとして確立させているのが「ハイドロテック」だ。充実した機能を搭載しながらも、中心上代8800円前後という割安感が好評でよく売れている。市況の低迷が続いたビジネスシューズが、「ハイドロテック」の健闘で昨対100%をとれるようになってきた。これは大きい。
ただ同時に昨年末に一部商品の不備で一旦すべて回収するという苦い経験もしており、小売がメーカー機能を体得する難しさも痛感している。

「ハイドロテック」の広告

――「ハイドロテック」の今期販売目標は?
舟橋 今期はウォーキングで20万足、ドレスで12万足、通気性に優れた涼風爽快シリーズで6万足、スポーツで5万足の合計43万足を見込んでいる。現状ではまだ当社の年間販売足数の1%にも満たないが、テレビ、新聞、週刊誌といったマス媒体を通じて積極的に宣伝、強化していくつもりだ。



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チヨダ ホームページ=http://www.chiyodagrp.co.jp/