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フットウエア・プレス  2006・3
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特集
大手チェーンのPB戦略
大手チェーンが本格的にPB開発に取り組み始めている。これまでの別注扱いではなく、メーカー・卸の協力を得ての商品企画からスタートし、生産から販売、販促まで、すべてにリスクを負った商品の打ち出しである。その狙いは粗利益率の向上と価格競争を回避できる差別化商品の展開である。
チヨダ(東京・杉並区)
利益率の向上のため、 POS導入とPB開発を進める
靴チェーン店最大手のチヨダ(舟橋政男社長)はこれまで、別注などインラインのオリジナル商品は展開していたが、それほど積極的ではなかった。しかし、ここに来て「ハイドロテック」を筆頭に、昨年後半にはボリュームラインのPB「バイオフィッター」を投入するなど積極的である。「バイオフィッター」については初年度100万足の販売を見込むなど、PBが大きな数になっている。

仕入れ窓口を本部に集中させる
先の経済紙のインタビュー記事で、舟橋社長は07年春からPOS(販売時点情報管理)システムを導入することを明らかにしている。同時に、PB商品の構成比を高めていくことを語っている。
POS導入で売れ行き商品を集中管理することにより、現状は1店舗当たり3000点以上になっている取扱商品を、1500品目程度に絞り込む。同時にセントラルバイイングによって、これまで同じ商品が複数あった仕入れ先については一つにしていくというものである。

新投入のPB「バイオフィッター」


コーナー展開する「ハイドロテック」
スケールメリットも必要となるPB商品の開発にも、POSでの集中管理が生きてくる。開発に当たっては自社企画のほか、メーカーブランドであってもチヨダでしか扱えない商品を増やし、価格競争の起きやすいナショナルブランド(NB)商品とは差別化し、取引を集中していこうとしている。

これらは粗利益率の改善を目指したものである。また、仕入れ先もメーカー系列の販社であればメーカーにするなど、卸の絞り込みにつながることである。
これについて広報部・営業企画部の白土孝部長は次のように話す。
「ベンダー(メーカー・卸)さんを集約し、POSに移行してのセントラルバイイングに取り組むことで効率化を図ることは、投資家の声に応えるためのもの。外から見たこの靴業界の非効率な現状に対する要望は、つまりはわが社に向けられた指摘です。海外の機関投資家の株主比率が高い当社にとって、国際会計基準への移行も含めて、現状の利益率の改善は最大の急務です」。


シュープラザ久喜店
同社はこれまで7地区本部制を敷き、それぞれが仕入先を抱えて、同じ商品でも複数の卸を抱えて地区販社や地方卸からも仕入れてきた。ここでは「温情」的な面で継続してきたところもあったといい、これを見直そうというのである。ただし、靴は生活必需品であり、積雪地特有の商品や沖縄のサンダルのような地域性を残した仕入れは地域の卸から仕入れる必要性があり、すべて本社に集中するわけではないという。


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