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フットウエア・プレス  2006・5
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2006/2007 Autumn&Winter MICAM
ミカム靴見本市レポート
ミラノ在住通信員 大谷聡美
Kanae OTANI
人気のジョッキーブーツ 流れはエレガントなクラシック

国際的リーダーを誇る靴見本市
昨年と様変わりし、肌寒い気候の中で行われた06−07秋冬シューズ・ミカムコレクション。新しい展示会場での開催は2回目となり、大きな混乱もなく4日間の日程を終了した。
 今回は昨年同時期展より16%多い1642社が出展、延べ展示面積32%増の7万2694uのブーススペースとなった。海外からの出展社は35%増の515社に達し、スペイン、ポルトガル、イギリス、フランス、トルコ、ブラジルからの出展が目立った。
 来場者に関しては26%増の4万1653人、海外からは28%増の2万人を超える来場となった。内訳で最も多いのがドイツからの来場で、さらに日本、イギリス、フランス、ロシア、スペイン、ギリシャ、スイス、オランダ、アメリカと続いた。
 商談ではロシアに続いて今回はドイツからのオーダーも好調で、さらにエレガンス系では、東欧からのオーダーも少しずつ増えているという。日本人バイヤーにとって、相変わらず高いユーロに対して割高感を感じるだけでなく、それに見合った魅力のある商品が少なかったというのが実情のようだった。

新展示会場でスペース不足問題も解消


ミカムとミーペルの間にあるトレンドコーナー
ビジターズエリアのパンチ不足
 全体的に出展社数は増えているが、人気モード系ブランドの撤退やメイン商品の展示はショールームで、というケースが増えている。ブランドが成長すれば、独自でプレゼンテーションというのはよくある話だが……。
海外のモード・新進系ブランドが並ぶビジターズエリアでは、今回「ブルーノ・フリゾーニ」「ジョージナ・グッドマン」「ミッシェル・ヴィヴィアン」と、いずれも人気のシューズブランドが撤退した。代わりに増えたのは洋服のライセンスブランドやミカムでもおなじみのファッションブランド。最近の新進系ブランドは新しい展示会に出展する傾向があり、以前ほどビジターズエリアのステータス性がなくなっているようだ。
そういった状況の中で、日本からの出展者「ショセ」「ブレイズ」そして日本人デザイナー「ミホ・マスイ」への注目は高まっており、海外からの新規オーダーも入ったと話している。

スウェーデンやギリシャなど販売エリアが広がっている(CHAUSSER)

商品傾向
ボリューム感のある底回りは秋冬も継続
 春夏商品で主力となりそうなプラットフォームやウエッジなどボリューム感のある底回りは、秋冬商品でも継続している。中でもエレガンステイストのデザインに、太いヒールを使ってクラシックの匂いをプラスしているのが多く提案されている。
 ウエスタンブーツはマイナーチェンジした形で相変わらず多く出ているが、新鮮さに欠け、むしろエレガントに仕上げたジョッキーやバイカーブーツが主流になりそうな気配だ。
 膝上丈のロングからオーバーニー・ブーツ、ハーフ、ショートとバリエーション広く出ているが、来シーズンはブーティが注目される。中でもバナナヒールやモダンなヒールを使ったブーティが新鮮に感じる。
 トウラインはスマートで丸味を帯びたデザインやスクエアが主流で、ワイドにしたスクエアトウが新しく出ている。
 流れがクラシックになっている影響か、メンズ同様、タータンチェックモチーフやツイードなどアイリッシュスタイルが来シーズンの注目スタイルのひとつ。
 素材では、メタリックパイソンやゴージャスなファー使いのほか、エナメルとスエード、ベルベッドなどとのコンビでラグジュアリー感を表現したスタイルも豊富に出ている。
 注目カラーは、メタリックではアンティークゴールドやブロンズ、クラシックではバーガンディ、グレー、エレガンスでは茄子紺や深みのあるブルー、パープル、グリーンのバリエーションなど。

メタリックレザーでエレガンスの匂いをプラス(BUTTERO) 70年の匂いをかもし出すワイドスクエアが登場(SAKAGUCHI KOSHI FOR BLAZE) ラグジュアリー感のあるファーを使ったブーティ(MICHEL PERRY)
ブランド紹介
「グエンドリン・キャリエ(GWENDOLYN CARRIE)」
スコットランド女性の休日スタイル
スコットランドで生活する女性の休日をコレクションテーマにした「グエンドリン・キャリエ」。日中はハンティングなどカントリーライフを楽しみ、夜になるとグッとエレガントに変身するという2つのスタイルを表現。
 フィッシュスキンを使ったタータンチェックモチーフのパンプスやブーツ、ソワレ用としてスワロフスキーを使った高寸サンダルやベルベッド使いのパンプスなどを提案している。

ソワレ用はベルベッド&スワロフスキーでエレガントに

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