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フットウエア・プレス  2006・5
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依然として強い薄底・細身ライン スニーカー市場に明るい兆し
ジャーナリスト 浅原孝子 価格は表記以外すべて本体価格

スニーカー市場が厳しいと言われているなかで、巻き返しの兆しが見えてきた05年。その明るい流れを06年につなげるべく、各ブランドとも独自の提案でさまざまな話題性を提供している。

05年の販売動向
回復基調のブランドが増える
依然として厳しいスニーカー市場のなかで、伸びているブランドは「Kスイス」「オニツカタイガー」「ニューバランス」「パトリック」。
 「Kスイス」の05年販売計画は30万足で、達成しそうな勢い。売上げは前年比125%の見込み。「オニツカタイガー」の05年は国内売上高16億円強、前年比107%、スポーツスタイル・アポミキシスを含めた「アシックス」では23億円弱、同122・5%。全世界では107億6000万円、同159%。「ニューバランス」の05年販売足数は377万足、前年比112・1%、シューズおよび小物を含めた売上げは同108.1%の154億6900万円。「パトリック」の05年販売足数は20万足弱、売上げは前年比105%。
「ナイキ」は前年並みとなる見込みだが、高価格帯のエアマックスやウィメンズの台頭、ランニングの復活など明るい話題が多い。「プーマ」はほぼ計画どおりの売上げを計上。「コンバース」はここ3年、販売足数500万足の計画を立て達成している。
 「クィック」の05年販売足数は4万3000足で前年並み。「ヒュンメル」、「スピングルムーヴ」は既存取引先との取り組み強化で順調。「アドミラル」は06年春夏から展開開始し受注状況は良好だ。初年度目標は2〜3万足。
 一方、「スケッチャーズ」の05年販売足数は150万足、売上げ前年比96%で推移。

06年秋冬商品傾向
薄底と復刻モデル

薄底・細身
 ここ数年、市場を牽引している薄底・細身が、秋冬も依然として強そうだ。各社薄底・細身のバリエーションが増え、様々な商品が出そろう。白ベースだけでなく、カラフルなカラー、ウィメンズでは、ヒモだけでなくスリッポンなども多く見られ、よりファッションを意識したものになっている。

復刻モデル
 ストーリー性や話題性を求める市場において、注目されるのが歴史や伝説をもとにした復刻モデル。各ブランドでオリンピックやサッカー、バスケットボールのNBA、初代モデルなど伝説のプレイヤーやエポックメイキング(画期的)となった出来事などにからめたモデルが多数登場する。そのレトロ感とブランドのストーリー性が話題を呼びそうだ。

ベロア
 ここ数年影をひそめていたベロア・スエード素材が久々に、この秋冬に登場。シックなファッションの台頭もあり、それに合わせるスタイルとしてベロア調が注目を浴びている。カラーも茶系や黒のほか、赤、イエロー、ブルーなどカラフルなものもラインナップされ、バリエーションが拡がっている。
各ブランドの06秋冬商品傾向
ナイキジャパン ナイキ

「ナイキ」ウィメンズ ショックス MC \13,000

「ナイキ」フリー5.0 V 2 \12,000


「ナイキ」ティエンポ \8,500

サッカー、フリー、ウィメンズをさらに拡大


 06年6〜9月のポイントは3つ。ひとつは6月のワールドカップを背景にしたサッカー。オンのパフォーマンスとオフのスポーツカルチャーとの両面の充実を図る。ブラジルやメキシコなどサポートチームのナショナルカラー、ロナウジーニョやアンリといった有名アスリートカラーのティエンポが話題を呼びそう。パフォーマンスでは日本人の子どものラストに合わせたキッズラインが登場する。
 2つめはナイキフリーのさらなる拡大。足の筋肉を鍛え甦らせ、足本来の機能を高めるというコンセプトのナイキフリーがより機能的にリニューアル。より一般向けの7・0、シリアストレーニング実践者向けの4・0のほか、キッズラインの充実も見逃せない。「好調なナイキフリーはアイテムを広げ長く育てていきたい」(猪谷聡也マネージャー)。
 3つめはウィメンズへのアプローチ。女性層には05年に継続して06年も浸透を狙っていく方針だ。なかでも女性層に評判のよいショックスで牽引していく。


ナイキのホームページhttp://www.nike.jp/front/index.asp

アディダスジャパン アディダス

「アディアンツォ」 \12,500

「アディダス」アポロ 2 W \9,300

「アディゼロ」SN \10,900

ウォームビズ対応でアウトドアカジュアル展開

 06年はカジュアルス、ランニング、ウィメンズの3カテゴリーで色展開や型数を増やし強化を図る。カジュアルスでは「クールビズやウォームビズという新しい動きを捉えたビジネスカジュアルを提案し、新しい領域に挑戦したい」(カテゴリーマーケティング本部・小川典利大本部長)。秋冬はアッパーに天然皮革を採用したアウトドアテイストの"アディアンツォ"を投入。抗菌・防臭効果のあるオルソライト使用のインソールではき心地も考慮し、トラベルからウォーキングまで幅広いカジュアルシーンに対応可能なデザインに仕上げた。また、80年代に展開した陸上スパイクを今日的に表現したスニーカー"アポロ"が新登場する。
ランニングでは日本人ラストを採用した好調な「アディゼロ」シリーズで、競技ランナーからランニング初心者まで各レベルに合わせた全8型を展開、需要拡大を図る。ほか、ワールドカップで注目されるフットボール関連商品も継続して注力する。



アディダスのホームページhttp://www.adidas.com/jp/shared/brandselector.asp

プーマジャパン プーマ

「プーマ」エクスプレストレーナーウィメンズ \9,500

「プーマ」250 \13,000

「プーマ」バーバレラウィメンズ \9,000

プーマウィメンズにフォーカス


 06秋の注力の柱にくるのはウィメンズ。フォーカスするのは美しくなるために、スポーツもしたいしおしゃれなスポットにも関心が高い、というスタイリッシュでアクティブな女性。彼女たちに向けたフィットネスやヨガライフスタイルをイメージしたブーツなど女性専用モデルが充実する。
 また、春夏から引き続き押していくのはプーマ独自のカテゴリーであるモーターサイクル、ワールドカップを背景とするサッカーなど。モーターサイクルコレクションは、バイクライフスタイルへの提案でプロテクション機能を搭載しながらファッションを意識したもので、デニムやバイクスタイルにマッチする。
 サッカーはワールドカップ以降も盛り上がりを期待し、パフォーマンス以外にもサッカー好きが数人集まってリフティングを競うような、個人で楽しむ都会の若者向けのコレクションを展開。このほか、「フロム・ザ・プーマ・アーカイブス」として伝説的モデルのヘリテージコレクションも登場する。
「06年は確実に伸ばしていくことを考え、来年につなげるようにする」(須田健一次長)。


プーマのホームページ
http://www.puma.com/