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フットウエア・プレス  2006・10
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売場で聞かれる「消費者からの質問」 回答編 最終回
*回答は一例であり、製品の素材や状態により異なる場合もある
本誌5月号特集に掲載した、売場で消費者からよく聞かれる質問の回答例をテーマ別に紹介する。
全3回連載の最終回。

 T P O

Q1
 お葬式とお通夜でどのような靴をはけばよいのか、どこまで大丈夫なの?
A 男女とも黒の靴をはきますが、黒でも光沢ある素材や派手な止め具付きやハ虫類レザーはふさわしくありません。なるべく非革製かスエードなどが良いでしょう。紳士靴はプレーントウやストレートチップを選びます。婦人靴はヒールのある黒いパンプスが基本で、オープントウやミュール・サンダルは避けます。


 そ の 他

Q1
 スニーカーとウォーキングシューズの違いは?
A スニーカーの語源は英語の"Sneak"(忍び寄る)。靴底の硬い革靴と異なり、ゴム底のスニーカーは足音を立てずに忍び寄れることから名づけられました。一般にスニーカーはゴム底で布製の運動靴を指しますが、最近はレザースニーカーと呼ばれる革製アッパーのタイプも増えています。革靴に近いデザインのものも多くなりました。
ウォーキングシューズとはウォーキングに最適な機能を強化した靴です。例えば足首や甲をしっかり押さえるヒモやベルト、衝撃吸収性の高いソール、汗を吸収するライニング材などを備えています。
世界最大規模のスニーカーブランド「ナイキ」 根強い人気のウォーキングシューズ「ヨネックス パワークッション」


Q2
 グッドイヤーウエルト製法とは?
A 3層構造の底を特殊な二重縫い(すくい縫い・ダシ縫い)で仕上げる製法です。手縫い靴の良さを機械縫いで実現するために考案された製法で、ほかの製法に比べると多くの工程や資材を必要としますが、それだけに丈夫で型崩れせず、足なじみが良く安定感があります。
特殊な二重縫いのため表底の取替えが可能で、何回も半張り修理ができます。一方、軽さや屈曲性には限界があり、セメンテッド式やマッケイ式に劣ります。

「スコッチグレイン」(ヒロカワ製靴)は全商品にグッドイヤーウエルト製法を採用

Q3
 子供の靴なのになぜ重いの?
A 子供の体は頭が重いため、靴が軽すぎるとバランスが取れずに転びやすくなってしまいます。子供靴に限りませんが、一般に消費者は「軽くて柔らかい靴が足に良い」と考えがちですので、売場ではよく話を聞いた上で適した商品を勧めましょう。

Q4
 同じような作りで値段が1000〜2000円違うのはなぜ?
A まったく同じデザインでも素材やパーツが違えば、価格も変わります。たとえば同じ革でも、仔牛のカーフと成牛のステアでは、キメの細かいカーフの方が高い値段になります。またソールにクッション性がある、通気性に優れた靴内構造など、外から見えない部分に機能的な工夫がある場合も、価格に差が出ます。

Q5
 子供靴はどのくらいはき続けられますか?
A 子供靴に限らず靴の耐用日数は一定ではありません。使用頻度や保管状況、使われている素材などにより異なりますので一概には言えません。ただサイズに関しては、少なくとも半年に1回は足に合っているか確認する必要があります。子供の足は日々成長しています。「もったいないから」という理由で、我慢してはき続けると足の正常な発達を妨げかねません。成長には個人差がありますが、できれば2〜3ヶ月に1回、定期的に足型測定をしてサイズに適した靴をはかせるように心掛けるのが大切です。特に小学校入学前の幼少期は、足の骨が柔らかく変形しやすい時期ですのでこまめにチェックして下さい。