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特 集

1 注目企業はこう戦う

チヨ

多彩な立地に向け、既存業態で年間100店舗の出店目指す

06年秋の立ち上がりに際し、20店舗を上回る出店を果たしたチヨダ(東京・杉並区)。かつて、新しい市場を狙って郊外単独店を出店したときのような勢いではないものの、再び撤退を上回る出店が見られる。年間3ケタの出店を目指すという同社では、既存の業態で多彩なロケーションに出店を果たし、シェア拡大を狙う。

今期はオンリーショップを含め、75店舗出店
 チヨダの今期出店は75店舗、来期は85店舗を計画している。07年で見れば、年間100店舗、3ケタ出店を目指している。今期は新たにPBとなった「セダークレスト」のオンリーショップの出店を果たすなど、新業態の開発もあった。
現在、「セダークレスト」は3店舗出店している。都心中心部の路面店のほか、SRSC(超広域型SC)のダイヤモンドシティ・ミューへ出店している。セグメントした商品構成でPBの構築を目指した業態で、生産から販売まで自社で行うSPA展開で取り組んでいる。販売も接客を基本とし、2万円台の商品にも挑戦するなど、従来の量販チェーンのスタイルとは違っている。
「今後の新たな業態のインキュベーターとして、またマーケティングの場として取り組んでいる。今後1年間は店舗を増やさず、さらに革スニーカーを追加するなどMDの充実を図りながら様子を見ていく」(同社)。

「シュープラザ」を主力に、多彩なロケーションに出店
他の出店では既存の業態で多店舗化を進める戦略だ。
旗艦業態となるのが「シュープラザ」。単独路面店のほか、オープンモール・スタイルのSC、RSCなど郊外ロケーションへの出店で、200坪以上の大型店舗のフルライン構成で展開する。このスタイルは競合が少ないため、NSC(近隣型SC)を含めてさらに増やす計画だ。

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東京デリカ

大型モールSCへの複数出店で、さらに市場シェアを伸ばす
ここ4、5年、年間40店舗前後のペースで出店を続けている東京デリカ(東京・葛飾区)。モール系大型郊外SCを主力市場にした出店は、来期も勢いが衰えそうもない。同社は異業種との競合が増える中で、業態のセグメント化を進めている。同時にアクセサリーを第3の柱に、同一SCに複数の出店をするなど、市場でのシェア拡大をさらに推し進めていく考えだ。

年間40店舗前後の新規出店を継続
前期の出店数は36店舗。今期(07年3月)の出店は35店舗で、期末店舗数は433店舗を計画している。04年、05年は40店舗台だった出店は30店舗台に下がっているものの、出店意欲は下がっていない。
同社には10店を超す業態がある。数の上では「ラパックス」が最も多いが、前期の出店は「サックスバー」が7店舗と最も多く、次が「グランサックス」6店、「アーマ」5店舗と、SCでのセグメント業態の新規出店が多かった。
既存業態については出店先にSCのリニューアルにあわせた業態変更を進めており、その数は前期37店舗、今期22店舗予定と多い。
同社の大型モールSC重視の出店は、01年の兵庫・伊丹市のダイヤモンドシティテラスへの出店から。アパレルの大手が雑材バッグを扱い始める中で、ライセンスブランドやメーカーPBの革バッグを主力に展開したところ、良い実績につながった。これまでの郊外店のMDの考え方を見直すきっかけとなった。

バッグに加え、アクセサリーが大きな柱に成長
これ以降、モール出店に対応した業態の開発を進め、レディスとメンズを分けたセグメント化による複数出店にも積極的に取り組むようになっている。さらに、第三の柱としてアクセサリー展開の「コラージュ」が大きく成長しており、店舗数も前期で92店舗を数えた。またアクセサリー売上げ構成比も25%を超すまでになっている。ここでも価格やアイテムでセグメントしたMD展開が求められる、業態の細分化が進んでいる。
「試行錯誤しながら出店を続けているが、レディスの『アーマ』、メンズ主力の『サックスバー』、バッグとアクセサリー業態の『ラパックスワールド』&『コラージュ』が3本柱になってきている。06年10月オープンのイオン札幌発寒SC店のように、この3業態による複数出店のケースも出てきている」。

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