今月の記事・ピックアップ 2007・2
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MDガイド
エコロジー商品
植物タンニンなめし革商品はじめ多種多様。 企業の真摯な取り組み姿勢が目立つ
 

三鈴商事
植物タンニンなめし革使用の婦人靴

05年秋シーズンから立ち上げた「ヒルギ」はナチュラルな革の風合いを生かした婦人靴のオリジナルブランド。開発のコンセプトは"ナチュラル""エコロジー"で、商品の約7割に植物タンニンなめしの革を使うなど「人にも環境にも優しい」循環型商品の提案をしている。
価格帯は1万4800〜2万円、ブーツで2万9800〜3万8000円。


クラウン製靴
ブランド思想はエコ、デザインはアバンギャルド

04年7月から展開する靴ブランド「キャサリンハムネット」のコンセプトは"環境にやさしい"。メンズ9割、レディス1割の構成で、革素材にはベジタブルタンニンレザー、靴紐にはオーガニックコットン、シューズボックスやタグにも再生紙を使用。売上げ前年比は197%という好成績だ。
「当初は商売としては無理だろうと思っていたし、周囲の反応もそうだった。が、誰かが環境に配慮したシューズを発信しなくてはならないと思い、挑戦しました」(堀内捷靖社長)。

ティンバーランド・ジャパン
企業全体で地球環境に配慮した活動を行う

同社は企業全体で環境への取り組みを行っている。例えばアパレルでオーガニックコットンの使用比率を高め、流通センターに風力発電を利用して二酸化炭素の削減に努めるなど。シューズ分野ではリサイクルラバーを30%使用したビブラム社のエコステップのソール、機能素材スマートウール、植物タンニンレザーなど、自然環境に配慮した素材を多く開発している。また06年から本国アメリカでは、再生紙使用のシューズボックスには、生産にかかったエネルギーや設備で使用されているうちの再生可能なエネルギー(風力・水力など)の割合、社会貢献活動の合計時間などの情報が表示されるようになった。

ビースタッフ
エコの言葉がなかった23年前から自然素材を使用

 同社の角田昌己社長は、エコロジーという言葉がなかった23年前から植物タンニンなめし革をはじめ、ナチュラルな素材を中心にバッグを作り続けていた。当時そうした製品を要望する消費者は極めて少なかったが、現在では多くのファンが育ち、時代の風潮が"自然""安心"というキーワードに敏感に反応するようになってきた、と角田社長。創業当事からの信念である「必要ないものを一切そぎ落としたシンプルなデザイン、上質な素材と腕の良い職人によるメイドインジャパン、口コミによる宣伝」は変わらない。
価格帯は2万5000円〜3万8000円、中心客層は30代半ば〜50代の女性。

スプリーズ
不燃物を一切使用しない婦人靴

 アパレルブランドのOEMを中心に婦人靴を展開してきたが、06年1月にオリジナルブランドの「ディヴェルティーレ」を立ち上げた。コンセプトは「パンプスをはかないときのロハスでおしゃれなシューズ」で、素材、デザイン、製法、環境への配慮などすべてにこだわりを持っている。
素材はリネンやコットン、植物タンニンなめし革など天然素材を使用。デザインはファッションの選択肢を広めるようなおしゃれなデザイン。製法はボロネーゼ製法、見えない部分にもこだわり緩衝材を二重にした。また環境への配慮として金属やプラスチックなどの不燃物を一切使用していない。そのため手間隙かけた手作業で釘を使わずに底付けし、ヒール材を使用せず、革を重ねたソールを使用するなどさまざまな工夫がなされている。
ターゲットは25歳〜30代後半の女性、中心上代は2万3000円前後。


相川商事
発色性に優れたクロムフリーのエコレザー

 エコレザーといえば植物タンニンなめし革のイメージが強いが、同社ではクロムフリーのエコレザー「トルナット」を姫路のタンナーと協力して開発し、05年10月から販売している。最大の特徴は鮮やかな発色性と豊かな素材感。鮮やかな赤やピンクなど、「全色展開できるのはおそらく世界初」(同社)となる。

山口産業
排水設備・省クロム対策万全のタンナー


 山口産業(東京・墨田区)は1938年創業のピッグスキンを中心としたタンナー。人と環境に配慮した植物タンニンなめしのピッグスキン「ラセッテー」の開発をはじめ、1988年からクロムなめしでも排水対策・省クロム対策に取り組み、06年にはすべての排水を安全に処理できる廃水設備を設置し、環境への配慮も完全なものにした。

*各記事は本誌からの抜粋。続きは本誌に