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機能を追求するミリタリーテイストのバッグ オリジナルな素材でブランドを立ち上げる 市場に「ミリタリー」テイストのバッグは少なくない。すでに先行する強いブランドが存在する市場に後発で挑戦しながら、圧倒的な存在感と機能性で確固たるポジションをつかんだブランドが、ハーヴェストが展開する「ハーヴェストレーベル」だ。 誕生は95年。東京支店支店長の渋谷良明さんは言う。 「ただ軍モノのレプリカを作りたくはなかった。目指したのは、パイロットの命を守るための機能をバッグで表現すること。たとえ重量が増してもディテールにこだわり、素材やデザインについては究極を追求する。これが『ハーヴェストレーベル』の立ち上げ時からのコンセプトです」。 最初に投入されたのは、「ライダー」シリーズだ。打ち込みの強い極厚の100%コットンを使ったキャンバス地に特殊な熱処理を施したバッグは、使い込むうちに独特の風合いに変化していく。「ハーヴェストレーベル」の存在を知らしめるに十分な個性を備えた「ライダー」はミリタリーファンの心をつかみ、息の長い人気シリーズとして君臨している。 同じくデビュー時に登場した「ランナー」もロングセラーを続けている。ナイロンやメッシュに塩化ビニールコーティングやエンボス加工など、何重もの加工を重ねたバッグには、既成のどんなバッグとも異なるオリジナルの質感がある。どちらも、「ハーヴェストレーベル」のデビューを飾るにふさわしいシリーズだったといえよう。 ビジネスマンにも持たれるミリタリーバッグ 「ハーヴェストレーベル」の扱い店舗は専門店を中心に約70店、直営店は3店。雑貨ショップの販路開拓や直営店のさらなる拡大を計画中だ。 顧客は、ハイティーンから40代前半までと幅広い。女性客は約2割。ミニショルダーや小物など、アイテムによっては女性ファンが多いという。全体としては、軍モノが好きというより、作りや素材を重視し、ミリタリーテイストをファッションの中に取り入れたいという人が目立つ。ミリタリーファンといっても志向や好みは千差万別。同ブランドは、既成のミリタリーバッグに飽き足らない層を獲得したといえそうだ。 好調な滑り出しを切った同ブランドは、96年の「フライヤーズ」でさらに勢いを増した。ナイロン製フライトジャケットの代名詞ともいえる「MA−1」の中から、50年代初期モデルをイメージした上で糸から再現し、あたかもリバーシブルバッグのように、ファスナーテープをはさんで表も裏も縫い上げたシリーズだ。「MA−1」の素材から縫製に至るまでのプロセスをバッグに注ぎ込んで完成させただけに、耐久性は極めて高い。
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