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 パコの売場探訪  <米西海岸市場編>
        売場チェックが日課となっている私こと、靴業界で働くパコの探訪記です。

90年代までに一般靴専門チェーンは姿を消し、
価格訴求店と新業態店が勢力を伸ばす米市場

今回はアメリカ西海岸の探訪である。ラスベガスとロサンゼルスにあるSCを1週間で回った。そこでは一般的に靴の専門店チェーンのほとんど消えており、スニーカーショップと価格志向の業態のほか、専門性を高めた新たな業態が成長していた。

2月13日(火) 晴
まずは空港の横を通るイースタンアベニュー(Eastern Av)を南下し、フリーウエー215線を越えた「イースタン・ベルトウェイ・センター(Eastern Beltway Center)」へ。ウォルマートとホームデポが並ぶコミュニティー・ショッピングセンター(以下CSC)である。

「ウォルマート(Walmart)」は食品も扱うスーパーセンター業態だが、衣料品売場に続く奥の壁面が靴売場である。売場面積は100坪ほど。身長を越す高い陳列台に、ペイレスのように靴箱を並べる陳列である。20ドル前後の商品が多い。目立つブランドはオリジナルブランドで、ブランド品のスニーカーは見当たらない。10時前なのに、レジには大きなカートを引いた買い物客の列ができていた。
「レッド・ウイング(Red Wing)」の前に車を動かす。20坪ほど、ワークスの商品が目立ち、あくまでも作業靴としての扱いである。

フリーウエー215号線を東に5分ほどでヘンダーソン市のグリーンバレーにある 「ザ・ディストリクト(The District)」に着く。シカゴのミシガンアベニューを意識して造られたライフスタイル・センター(以下LSC)である。
LSCとは富裕層が多く住む地域に隣接したオープンエアーであり、全米展開の専門店や地元の専門店、それにフルサービス・レストラン、映画館で構成されている。SC全体のデザインが統一され、市民の憩いの場所があり、駐車場が近くにある利便性の高いSCである。
靴専門店は2店。「ウォーキング・カンパニー(Walking Company)」は25坪、販売員1名、現在の店舗数135店。その名の通りメンズ、レディスの歩きやすい靴を集めた専門店で、エコー、メフィスト、ロックポート、ティンバーランド、キーンといった品ぞろえ。

今度はステファニー・ロード(Stephanie Rd)を北上し、「ガレリア・アット・サンセット(Galleria at Sunset)」へ。2層のモール型SCで靴専門店は12店である。ペイレスと向き合っている「フェイマス・フットウエア(Famous Foot Wear)」は80坪ほど、販売員3名。ブランド品のアウトレット販売を中心とした業態で、アメリカの靴専門チェーンではナンバー3の売上げを誇っている。

ヤング向けの「ツゥーリップシューズ(Two Lip Shoes)」は15坪ほど、販売員1名。82年にメーカーとして創業したファミリー企業で、アウトレットを中心として12店を展開している。レディスは30〜60ドルが中心。
スニーカー業態ではフットロッカーグループの他に2店舗の専門店がある。「ロバートウエイン・フットウエア(Robert Wayne Foot Wear)」は15坪ほど、販売員1名。現在36店舗を持つ独立系専門店である。ボード系のスニーカーとドクター・マーチンなどのカジュアルシューズで構成されている。「シック・シューズ(Shiekh Shoes)」は45坪、販売員1名。06年末で92店舗を数える。ヒップホップ系のスニーカ−とアパレル、それにヒールパンプスを加えた構成である。フットロッカーと違うちょっとマイナーなイメージだ。
 

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