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ASEANとのEPA(経済連携協定)締結
ベトナムを筆頭に、革靴生産国に新たな注目

革靴の関税も発効後10年で撤廃
日本はASEAN(アセアン=東南アジア諸国連合)とのEPA(経済連携協定)締結に向けて大枠で合意した。この中には革靴も含まれており、政府が目指している11月の条約署名が実現すれば、早ければ来年秋には条約が発効する。ここで革靴輸入の数量制限は撤廃され、関税率についてはASEAN主要国で10年間以内に0%となり、革靴の輸入自由化に大きく動くことになる。
すでにASEANメンバーの中には、革靴輸入のTQ制度から除外されているLDC(後発開発途上国)のカンボジア、ミャンマー、ラオスがあり、無枠・無税での輸入が進んでいる。さらに個別にEPA締結の合意がされているフィリピンは今年7月以降、タイは今秋の発効が予定されている。ここに革靴輸出が多いベトナム、インドネシアが加わることで、日本の革靴輸入も大きく変わることが予想される。
ここでは日本のASEAN各国からの靴輸出と靴生産の現状、EPA締結後の日本の靴業界の新たな可能性を見る。


日本のアセアンからの靴輸入
革靴輸入は全輸入の36%のシェア
 日本の海外からに靴輸入は5億6000万足。うち革靴(1次、2次革靴の合計)輸入は2000万足強ある。このうちASEANからの輸入は靴全体では3463万足、革靴は731万足の輸入実績で、全輸入量に対する構成比はそれぞれ6%、36%。
靴全体では中国のシェアが圧倒的に高いため6%の数字に留まるが、革靴については、中国に次ぐ輸入足数を誇るカンボジアのほか、ミャンマー、ベトナムからの輸入が多く、36%を占めている。
 国別に見ると、一番足数の多い輸入国はベトナムで1127万足。続いてインドネシアからの輸入足数が多く955万足。以下、カンボジア、タイ、ミャンマー、フィリピンの順。現状ではこの6ヵ国が靴産業は発達している国といえる。すでにFTA(自由貿易協定)締結国となっているシンガポールからの靴輸入は、靴全体で4300足ほど、革靴については59足という輸入量で、国内の靴産業は未開拓である。




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