今月の記事・ピックアップ 2007・9
 HOME > フットウエアプレス >  アイテム別マーケティング スタイリッシュコンフォート
アイテム別マーケティング
スタイリッシュコンフォート
 軽さとクッション性を基本によりトレンド感求める

 本誌は04年8月号で初めて「スタイリッシュコンフォート」を提案した。機能性だけでなくデザイン性も追求したこのカテゴリーは、2年間で大きな市場に成長している。今後もさらなる需要の拡大が期待されるスタイリッシュコンフォートの現状を小売店5店舗の取材でレポートする。
*文中ではスタイリッシュコンフォートをS・Cに略して表記

取材店
シブヤ西武(東京・渋谷区) ●三越武蔵村山店(東京・武蔵村山市)
京急百貨店(横浜・港南区) ジョリコアン 玉川島屋店(東京・世田谷区)
コンフォートアルプス光が丘店(東京・練馬区)
*文中ではそれぞれ「西武」「三越」「京急」「ジョリコアン」「コンフォートアルプス」と略して表記。

販売動向
百貨店、専門店ともに販売比率高まる
デザインだけでなく足入れも入念に確かめるミセス
はき心地の良さは友達同士による口コミの影響が強い
一口にスタイリッシュコンフォートといっても、売場によって捉え方はさまざまで、明確に定義することはできない。ただ、機能性に裏打ちされたはき心地の良さと、ファッション性を同時に求める需要は、程度の差こそあれ、どの売場でも高まっているようだ。

3月にモードウォーキング売場を新設した西武は「当初の予想よりも幅広い年齢層に受け入れられ、計画を上回る勢い」と順調。京急も「ここ1年でメーカー側の提案が増え、需要が拡大した」ため、S・Cゾーンの売上げ前年比が114%の2ケタ増を達成した。

当初からS・C主力で展開するジョリコアンは「よりはきやすく、よりおしゃれなものを求める傾向」から客単価が上昇し、前年比で4〜5%台の増加を維持している。前年並みで推移するコンフォートアルプスは「足にトラブルのない方は従来のコンフォートからS・Cへ関心が移っている」ことでS・Cは伸びている。

 郊外立地の三越は「定番志向が根強く、S・Cのシェアは低い」ながらも、明るい色使いの商品は徐々に手取りが良くなっているようだ。

シブヤ西武(東京・渋谷区)
独自編集のS・C売場を展開

今年3月の全館リニューアルを機に、デザイン性と機能性を兼備した新しいウォーキングを集積したモードウォーキング売場を12坪で新設。「かねてからはきやすくておしゃれな商品への要望があり、潜在的な需要を見込んで売場として独立させました」(婦人雑貨部婦人靴係)。
 展開ブランドは「アラヴォン・バイ・ニューバランス」「ノーネーム」「コンポジション9」「アルコジョイ」「クラークス」など。売上げトップは機能性が充実している好評の「アラヴォン・バイ・ニューバランス」で、高寸スニーカーの「ノーネーム」も「圧倒的なリピーター需要」に支えられて売上げをけん引している。全体的にはモカスリッポンやカッター系、素材コンビなどトレンド調の商品が人気。客単価は1万7000円前後。
「ノーネーム」(ストックマン) \24,000 「アラヴォン・バイ・ニューバランス」(ニューバランスジャパン) \16,000

コンフォートアルプス光が丘店(東京・練馬区)
全面エナメルのパンプスも売れる

 売上げ構成比7割を占める婦人靴の中で、S・Cは「ガボール」「ヨシト」「マイジー」などエレガンステイストのパンプスやサンダルが主力。カジュアルでは旅行用としての需要もある「シンク」が好調だ。
 中心客層は40代以上の主婦。「20〜30代の娘を持つ50〜60代の女性はおしゃれに関心が高く"ださくないもの"を求めます」(小林徹司店長)。具体的には2〜3cm程度のヒールがあり、細身でスマートなデザインが好む。エナメルやメタリックのトレンド素材の手取りも良く「3色展開なら、色ものから売れていく」という。
 一方で「50代でエレガンス調のヒールものを求める人もいれば、30代でナチュラル系のカジュアルを好む人もいる。ライフスタイルによる消費が目立つようになった」ため、一概に年齢ではくくれない傾向も出てきているようだ。

「ヨシト」(ニューロンドン) \21,000 「ガボール」(ハヤシゴ) \23,000


販売動向の続き、商品傾向、その他のショップレポートは本誌に