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ものづくり新時代
長嶋正樹社長 マークブラドック(東京・港区)

特許取得の独自製法で 年配層でもはけるトラッドを

 靴専門店トレーディングポストの経営、国産ブランド「山長」の立ち上げなど、数々の紳士靴ビジネスを手掛けてきた長嶋正樹氏が、05年に新会社を設立した。「市場にない新たなものづくり」を目指す企画会社、マークブラドックである。社長を務める長嶋氏に、設立の経緯と具体的なものづくりへの取り組みを聞いた。

OEMと並行して2つのオリジナルを開発

――新会社と事業内容について教えて下さい
長嶋 あるデベロッパーから靴専門店の出店要請があったことがきっかけです。出店自体は見送りましたが、大手アパレル小売のOEMやコラボレーションモデルの企画製作から本格的に事業運営を開始しました。昨年からはOEMと並行して、当初からの目的である2つのオリジナルブランドを立ち上げています。
 その1つ、伊勢丹とのコラボレーションで好評の「マークブラドック」は、職人技によって最高水準のものづくりを追求するブランドで、5万円台で展開します。そしてもう1つの「ダグマークソン」は、製法特許を取得しているプラットグッドイヤーという新製法の採用が最大の特徴です。中心価格は3〜4万円に抑えました。
このほか輸入卸のヒーローインターナショナルと協業で取り組むスニーカー「ボールバンド」を、セレクト店中心に今年から本格展開しています。40〜70年代に米国で流行したブランドの復刻で、ダブルバルカナイズという当時の製法を再現しました。

――プラットグッドイヤー製法とは?
長嶋 プラットフォーム製法とグッドイヤー製法を組み合わせたものです。数年前から研究を重ね、このほどやっと満足できる仕上がりになりました。中底をなくしクッション材を巻き込んで底付けすることで、グッドイヤー特有の硬さを解消。返りが良くて足入れも柔らかい上に、スマートなデザイン性も兼ね備えた製品作りが可能になっています。年配層ははき心地の面からコンフォートを選びがちですが、本当はもっとカッコイイものを求めているはず。この新製法により、そうした潜在需要を掘り起こすことができると考えています。

 「ダグマークソン」  「ボールバンド」

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