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業界再編

チヨダがアイウォークの株式取得、子会社化へ
――首都圏での店舗展開にメリット、新たなMD能力も獲得

靴小売最大手のチヨダ(東京・杉並区、http://www.chiyodagrp.co.jp/)は7月23日、中堅靴小売チェーンのアイウォーク(東京・台東区、http://www.i-walk.co.jp/)の株式を取得する覚書を締結した。今後、覚書に基づき実施されるデューディリジェンス(財務・資産の精査)の結果を踏まえ、アイウォークの発効済株式の51%以上を取得、子会社化することになる。業界大手の再編が進む中で、チヨダのM&A(合併と買収)は初めてである。

地方商圏での出店余地は少なくなる
チヨダはカジュアル衣料の子会社マックハウスが、レオに対してM&Aをしたことがある。今回のアイウォークの買収は銀行を仲介役に、アイウォークのほうから話が持ち込まれたもので、すでに数回の話し合いが持たれている。チヨダと業務・資本提携することで、アイウォークはこれまで進めてきた多店舗化をさらに継続させる考えだ。
デューディリジェンスが10月までは掛かるだろうことを前提条件に、チヨダの舟橋政男社長は「市場全体の潮目が変わっている今、アイウォークさんの株式譲渡による子会社化の判断は賢明なジャッジだったと思う。当社も決断の時期は今であり、2、3年後では遅いと思っている」と話す(以下コメントは舟橋社長)。
アイウォークの前身である池田屋靴店は1950年に会社組織となり、03年に現在の商号に変更した。ここで業態を整理・再編を進め、03年8月時点の店舗数は前期末よりも11店舗少ない30店舗であった。その後、SCのオープンが続く中で、同社も積極的な出店戦略に転じ、現在は55店舗を数える。07年7月期の売上高は42億9000万円、収益面では5700万円の純損失と、今後の多店舗化を進める上では厳しい状況にあった。
今回の株式取得に関してチヨダは、資金力を生かして靴小売事業を補完し、企業価値を高めるM&A案件を継続的に検討して来たと発表した。その上で、同社の展開が手薄な首都圏での店舗の取得と、郊外SCでの異なるMD能力の獲得は、メリットが大きいと判断したという。

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