![]() |
|
|||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||
国内では大手チェーン店のM&Aや統合など再編の動きがあり、さらに寡占化の動きが出てきた。商品的には市況の低迷を反映して低価格化が進み、大手婦人靴卸が1万円を切る商品を相次いで発表した。また、アパレル企業の靴・バッグ専門店がさらに拡大した。 グローバルな動きも大きく前進した。自由化の流れとなるEPA交渉もベトナムと合意、ASEANとは12月に発効、インドとも合意間近となった。また、中国市場への小売店進出も相次いだ。特集ではこの1年の業界の動きと併せ、今年のヒット商品を振り返った。 ![]() 08年は値上げの年、と言い換えることができるほど、食品をはじめ様々な生活品の価格が引き上げられた。もちろん靴も例外ではない。 値上げの主な要因は原油高騰に伴う原材料価格の上昇と、主要産地・中国の生産コスト増加の2つだ。中国は人民元の切り上げに始まり、賃金の上昇、保険義務化を促す労働法の改正、増値税(*)の引き下げなど、あらゆる面でコストが上昇。なかでも沿岸部の賃金は、わずか1年間で20%以上も上がる激しさだ。中国で開発輸入を行うスタートは、一人当たり人件費が1200元となり、生産コスト全体が20%も上昇。商品全体の35%を中国生産するスポーツマドラスも、FOB価格が1〜2年前に比べ1・5ドル上がったという。 ただ、低価格志向や身の回り品の買い控えが進む市場環境のもと、上昇分をそのまま価格に転嫁することは難しい。7月から実施されたムーンスターの布靴10%値上げは、「さらなるコスト吸収努力が、品質維持と安定供給に支障をきたす懸念がある」とやむなく判断したものだ。むしろ値下げを要求される場合もあり、供給側は利益率減少を免れない状況。米の金融危機以降、原油価格は下落しているものの、中長期的にはさらなるコスト上昇は確実だろう。EPA(経済連携協定)を活用し、中国以外のアジア諸国で生産を増やす動きも増えそうだ。 ![]() 商品の全体的な値上がりの影響を受け、小売店の店頭価格も上昇した。都心部のある百貨店では展開する革靴の中心価格が、平均10%程度上がったという。専門店も革靴は同様だ。しかし一方で、消費者が価格に対してより厳しい眼を持つようになり、売上げに大きく響いている。 これに歯止めを掛けるため、百貨店はPB(自主企画商品)を強化に取り組む。東武は8900円の均一価格のPBを立ち上げ、西武も1万2800〜1万3800円のバレエシューズのパターンオーダーを開始した。大手小売店もPBで、より価格訴求力を追求した商品を増やしている。いずれもポイントになるのは値ごろ感。安くても品質が良くなければ、という高い要望にどこまで迫れるかで勝敗が分かれる。
![]() 地球温暖化などの問題が深刻化するに伴い、靴・バッグ業界でも自然環境への配慮が大きなテーマとなりつつある。業界内でのエコロジーへの取り組みには、エコロジーの考え方に基づく材料を使用した商品(エコ商品)の展開と、製造工程や売上げの寄付など商品展開以外での取り組みがある。 エコ商品で最も多いタイプは環境や人体に有害なクロムを使用しない植物タンニンなめし革を取り入れた商品で、このほかの材料としては天然ゴムやオーガニックコットンなどの自然素材や環境負荷の少ないバイオマス素材、間伐材や廃タイヤなどの廃材、製造時に有害物質を発生しない素材、焼却処分時に自然分解される素材など。商品の靴箱やタグに再生紙を使用している商品もある。 商品展開以外での取り組み事例には、自社の使用済み商品を再利用するシステムや自社工場でのエコ関連規格ISO14001の取得、収益の一部を植樹活動団体に寄付するなど。商品購入時の買い物袋を綿素材のエコバッグにする企業も増えている。 ![]() エコ商品の展開やエコロジー活動を拡大するにあたり、大きな課題となるのは価格と売場での販促。一般の商品より割高になりがちな価格をいかに抑え、いかに消費者に納得してもらうかが鍵となる。価格の問題から売場も限られており、また供給側・小売側ともに需要喚起が十分に行われていないのが現状だ。 靴やバッグは食品などと比較してエコロジーを実感しにくく必要性が伝わりにくいアイテムでもあり、店頭でのPOPや小冊子やタグなどで消費者に分かりやすいよう訴求することが不可欠になるだろう。
その他の記事は本誌に |
|||||||||||||||||||
![]() ![]() |