今月の記事・ピックアップ 2009・3
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Autumn&Winter 2009-10
Men's Collection

タイトなスタイルにボリュームのある足元

来場者減ながら有力店バイヤーや主要百貨店は来場

1月13〜16日の4日間、フィレンツェで第75回「ピッティ・イマージネ・ウオモ」が開催された。週末開催のミラノコレクションと重複を回避し、モード関係者にとっては移動に余裕の取れる日程設定となった。
 今回の出展社は前年同期より若干多い734社(919ブランド)が出展、海外からは全体の32%を占める270社が出展した。日本ブランドの海外進出が増えている中、すべて日本で生産された「コムデギャルソン・オム・ドゥ」の商品が話題を呼び、メード・イン・ジャパンへの関心がさらに高まることを予感させた。

 来場者数3万5000人のうち、バイヤーは2万2672人、海外バイヤーは31%を占める7066人となった。国では前年に比べてポーランド、チェコ、スロベニアなど東ヨーロッパの来場者数の伸びが目立った。主要国であるアメリカ、イギリス、日本、ロシア、スペインは減少しているものの、各国の有力店バイヤー、主要百貨店バイヤーは昨年同様に来場しており、内容的には満足な結果となったと主催者側は発表している。
3回目となったレディス・プレコレクションの「ピッティWウーマン」は、62ブランドが出展。来場者数は前回より30%多い5243人となり、回を重ねる毎に広がりを見せている。


商 品 傾 向

■クラシック
ミニマルスタイルに丸く厚みのあるトウの靴
ブリティッシュに則ったイタリアンという新しいフォーマルスタイルがトレンドとして提案され、タータンチェック柄などの素材使いや英国デザインでオーダーメード調のミニマルなスタイルが多い。
 ミニマルな着こなしに丸く厚みのあるトウラインの靴を合わせ、モダンな男っぽさを表現するのが新しいスタイル。イギリスやアメリカ・テイストの丸いトウがロングノーズになり、イタリア・テイストのロングノーズが丸くなり、中間的な長さでボリューム感のある靴が多く提案されている。さらに、トウ部分だけアンティーク仕上げのツートーン効果を狙ったデザインも多い。
 日本で先駆けて注目されているアメリカンベーシック。タイトなアパレルスタイルにベーシックなシューズという「トム・ブラウン」は、まさしく旬なデザイナーだ。彼が気に入って合わせる靴は「オールデン」、展示会でもファッションに敏感なバイヤーから注目されていた。
「オールデン」の日本総輸入代理店ラコタの血脇孝昌社長は「靴のデザインは変わらず、着こなし自体が変わっている。トレンドに左右されない昔からのファンが多く、最近では年齢層の幅が広がっている。オーソぺディックシューズ的な要素もあり、はきやすさも根強い人気の秘訣」と語っている。



続きは本誌に
トピックス
空軍学校で行われた「トム・ブラウン」のショー
ニューヨークを拠点に活躍する「トム・ブラウン」のコレクションショーが、フィレンツェにあるイタリア空軍学校の建物の中で行われた。ピッティ展はフィレンツェ市の全面的な協力の中で行われているが、今回も普段は民間人が入ることの出来ない場所でファッションショーが行われた。
 シューではショート丈のスーツにトレンチコートを着こなした大勢のモデルが、アイビースタイルで出勤、仕事場から帰宅までのシーンを見せた。きっちりと分けた髪形にタイトなスタイルの着こなしは、50年代のアメリカントラッドを彷彿とさせた。