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ライフスタイルバッグの開発現場

「ソラチナ」(ビージー)

個性的で機能性もあるリーズナブルなメンズバッグ

自分たちが欲しい、価格も手ごろなバッグを作る
 ヨーロッパの一流ファッションブランド御用達として知られるスイス・リリ社のジッパーを巧みにアレンジした財布で、ファッション感度の高い男性ファンをがっちりと獲得したのが、ビージー(東京・文京区)が手掛けるブランド「ソラチナ」だ。
 立ち上げは06年1月。ディレクターの飛田憲次さんは次のように振り返る。
「メンズバッグや小物に自分たちがほしい商品がなかった。ちょっといいなと思うと5万円以上もする。革を使って価格も手ごろなバッグがないのであれば自分たちで作ろうと考えました」。
 最初に投入したのは水洗いした馬革を使ったシンプルな無地の財布とボストンバッグ。セレクトショップに営業したが、当時の反応は芳しくなかった。
「知名度もなくて、最初は2店舗からのスタートでした。展示会に出展し、メンズ雑誌への露出を増やし出してからは風向きが変わってきました」(飛田さん)。
 「センス」「メンズノンノ」「メンズファッジ」といったファッションに敏感な若い男性が読む雑誌への露出がソラチナの認知度を上げた。現在は取引先は60〜70社、店舗数では約200店強。そのうち70%が専門店だ。
 もちろん、雑誌への登場回数が増えたのは、ソラチナの個性が読者の志向に合うと雑誌サイドに評価されたからに他ならない。


マルチカラージッパー使いの財布がブランドの顔
 ソラチナの個性を語る時に欠かせないのが、リリ社のマルチカラージッパーを用いた馬革の財布だ。7色のジッパーは財布を開け閉めするたびにメンズのバッグらしからぬキュートさをのぞかせる。
「バイヤーの反応は、『可愛い』と受け取る方とそうでない方の両極の別れ、商談の判断も早かった。ノーマルのジッパーもあったんですが、結局生き残ったのはマルチカラーの方。売り手としては何かはっきりとした特徴がある方が接客しやすいよう」(飛田さん)。
 この財布はカードの収納性など機能にも優れている。見て楽しく、しかも使いやすいところがソラチナの強み。馬革をメッシュ編みした財布も加わり、ソラチナの「顔」としていまも根強い支持を集めている。

  

ソラチナHP=http://solatina.net/

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