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これで、ロングセラー
「シルバーレイククラブ」スコットランドシリーズ・ハリーシリーズNo.2241 
                           (イケティ)
http://www.iketei.co.jp/slc/
フィッシング愛好家同士が集まりが生み出すバッグ    

希少価値の生地「朱子」採用
作り手がとことん情熱を注ぎ、己が使いたいと願うモノを製品化する。その品質やコンセプトに共鳴したエンドユーザーだけが購入する。こうした作り手とエンドユーザーとの幸福な共鳴関係で成り立っている逸品が存在する。イケテイの「シルバーレイククラブ」スコットランドシリーズにおけるハリーシリーズ「No.2241」もそのひとつだ。
シルバーレイククラブはフィッシングをキーワードに自然の中で過酷な使用に耐えうる鞄づくりがテーマのブランド。そのうちのハリーシリーズはフィッシング愛好家の間で有名なスコットランドのロッドビルダー・ハリージェーミソン氏の名を冠したもの。このハリー氏を主役に、製作はハンドメイドの革小物やオーダーバッグで人気の秋良登喜雄氏に依頼。同社とハリー氏、秋良氏というアウトドア派や本物志向の鞄を求める方には、垂涎(すいぜん)ものといえるコラボレーションのもと製作されている。
 なかでも「No.2241」の特色は朱子と呼ばれる生地を使用していること。中国の修行僧が好んで着用したといわれる生地で、耐久性はもちろん、使い込むほどに風合いも増してくる。独特の光沢と肌触りも魅力だ。この生地の採用のきっかけは、同社常務取締役・吉田伸一氏が若かりしころに購入した英国王室御用達のフィッシングバッグに使われていたこと。「現在は海外製でも朱子を使ったものは見かけなくなりました。特殊な織り方をする素材で、鞄に使うような太い糸で織る機械はほとんどない状態です」と吉田氏。

手作業の質実剛健なつくり
 また秋良氏が手作業で作り上げる堅実剛健なつくりもセールスポイント。付属素材もフルタンニンの革で、底は型崩れを防ぐ厚い一枚革。ショルダーベルトに中芯を入れ、バックルは真鍮(ルビ:しんちゅう)にするなど、使い込むほど愛着や風合いが増すよう作り込まれている。これにアトランティックサーモンとグリーンハート(ロッド)が入ったクラフトエンブレムが誇らしげにデザインを彩る。
 価格は8万5000円。基本的に注文生産の形になるが、例えば秋良氏のイベントで注文すると、その場でシリアルNo.のほか本人の名前や購入時の年月日を刻印することも可能だ。生産販売のため02年春からの販売数はトータルで50〜60くらい。良さを理解してくれる人のみに向けた販売戦略を取っている。大々的な宣伝はしないが、年配層はおもにイベントで、若い人はホームページで商品の存在を知って購入するパターンが多い、中にはデジカメのバッグ替わりにするなどおもしろい使い方をする人もいるそうだ。今後はオールレザーでの企画・販売も考慮中だという。

続きは本誌に