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激戦地ルポ

「イオンレイクタウン/ららぽーと新三郷」
メーカー・卸のSC直営店が増加する中、
レイクタウンの館内競合はさらに激化
1年間に大型SCが2つ誕生した激戦区

埼玉県東部にある越谷市(人口31万人)と千葉県との県境にある三郷市(同13万人)に、昨年秋から今秋にかけて話題の大型商業施設がオープンしている。昨年10月にオープンしたのが日本一の規模のイオンレイクタウン(以下イオン)。今年9月にオープンしたのがららぽーと新三郷(以下ららぽーと)である。
半ば荒涼とした田園地帯の何もない所にこつ然と立つ両SCは、都市再開発の目玉として地域の先行を切ってオープンした。東京都心部からはつくばエクスプレス線か東武線経由で乗り継いで小一時間の距離にあり、イオンは「越谷レイクタウン」駅の、ららぽーとは「新三郷」駅の目の前にある。
イオンは超大型SCとして車で30分圏の330万人、46万世帯、ららぽーとは10キロ圏、173万人を商圏として設定している。両者の距離は直線で5km、2駅先の至近距離にあり、バッティングは避けられない。
しかし建物2棟、テナント565店というスケールではイオンが断然、魅力がある。とはいうものの商圏規模や周辺との競合からいうとイオンは大き過ぎる感じも免れない。イオンは「風(kaze)」と「森(mori)の2棟からなり、建物の端から端まで15分もかかる。そのせいか奥の「森」は早くも20数点の撤退、またはその希望が出ているという。既に靴店でも「森」のビーハイブと「風」のスティーブマデンの2店が撤退している。

靴はジーフット、バッグは東京デリカが断トツのシェア

イオンに靴、バッグ店だけでジャスコ、ビブレを含めて27店舗もある。片やららぽーととは少数で業態も異なるのでバッティングは緩いが、イオンの中ではバッティングは避けられない。ららぽーとオープンの影響は今のところほとんど感じられないが、好調な店は数少なく、売上げ目標を下回っている店が多いよう。
イオンもららぽーともフルライン店の出店割合は少ない。代わってメーカー、卸の直営店が増えており、しかも業態店が多くなっている。イオンでは業態化による同一企業の複数出店で売上げ確保を図っている。
オープンしたばかりでまだ実績のないららぽーとを除き、イオン各店の初年度の売上げをみると、靴はGフット(アスビー、H2カンパニー、フェミニンカフェ、ジャスコ靴売場の4店)が断トツ、次いで大きく離れてトップ・トゥ・トップ、エテルナの順。バッグは東京デリカ(クイールサックスバー、サックスバーフェイス、バージョニーの3店がトップだ。

各店レポートは本誌に