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ブランド物語
「瞬足」 (アキレス)
運動会での“走り”にスポットを当てた機能訴求で、年間600万足を超えるヒット商品に

03年秋冬デビューのアキレス(東京・新宿区)の子供靴「瞬足」(HP)。初年度は24万足の販売だったが、3年目の05年度は158万足、翌06年度は2倍の300万足を達成、09年度は出荷ベースで600万足を超え、累計販売足数は2000万足を超えることになりそう。少子化が続く中で、100万足を売れば大ヒットと言われる子供靴市場で、近年稀に見る大ヒットブランドとなった。

特徴的な左右非対称のソール意匠
「瞬足」を発表する以前の子供靴市場は、キャラクターの話題性や底回り機能性、アッパーのデザインやカラーリングの新鮮さを競っていた。アキレスも「ランドマスター」で防水機能をつけた製品を発表したが差別化にはつながらず、販売足数の減少傾向に歯止めをかけるまでにはいかなかったという。 
 そんな中で登場した「瞬足」の商品コンセプトは「コーナーで差をつけろ」。運動会の時に多い左回りコーナーを安定して走り抜ける靴を設計した。具体的には底意匠を左右非対称にし、左の外側と右の内側にグリップ力をつけるスパイクを配置した。これまでの機能競争とは一線を画した、運動会にスポットを当てた新しい機能で訴求した。
しかし「足が速くなる靴」でも、アスリートシューズのような速く走ることだけを目的とした靴でもない。「速い子はより速く、遅い子には夢≠」をテーマとした、運動会にも通学ばきにも使える、デイリーな靴を提案した。


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