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特集
急成長! 靴のネット販売 
ネット販売の現場
あかい靴  岡山・倉敷市

希少ブランドの集積で価格競争を避ける

ポイント
●1000〜2000円の靴下を入口商品として扱い新規客を開拓
●創業100年の老舗靴店ならではの経験を生かしたサイズ感の表現
●はき方からライフスタイルを伝える商品の見せ方

瀬戸内海沿いの岡山・児島にある老舗専門店、あかい靴(岡山・倉敷市、)は2000年にホームページを立ち上げた。「当時はホームページ制作会社からの売り込みが増え、ネット通販を始めたという話をよく聞くようになっていました」と藤本知也バイヤー(以下コメントはすべて藤本さん)。時代の変化に対応し売上げ拡大をするべく、制作会社の協力を得てネット通販を始めた。
少しずつ売上げを伸ばす中、2年前には楽天に出店。同社から営業があったことがきっかけで、ホームページを評価していたという。「同じ商売するなら森よりも人の多い街に出た方がいいですよ、という営業マンの言葉に納得。ネット上のモールとして考えた場合、規模は間違いなくトップ。ダメならやめればいい、という感覚で始めました」。
反響は予想以上に大きく、現在はネット売上げの80〜90%を楽天の売上げが占める。昨年11〜12月は巣ごもり消費を反映して実店舗が悪かった一方、ネットは単月で過去最高に近い売上げを確保。自社ホームページと楽天を合わせたネット売上げは、総売上げの20%まで成長している。

ネットだけのブランドも
 伸びている大きな理由は、希少性にこだわった品ぞろえにある。「コース」「トリッペン」「アトミックグリーン」など、実店舗と同様に扱い店が少なく価格を守って展開するブランドの集積が差別化につながっている。
商圏の関係で実店舗で扱えなかったブランドも追加。ドゥ・ラマーレのきれい目カジュアル「ルイ エ レイ」もそのひとつで、品質に比した値ごろ感から好評だ。中心価格帯はパンプスなど丸もので1万円後半、ブーツで2万後半〜3万円で安定し、昨今激しさを増す低価格競争にも巻き込まれていない。ブランド検索をきっかけにサイトを訪れる人が多いのも、希少ブランドがあればこそだ。
ただ、1万円以上する商品はそう簡単に手が出ない。そこで、1000〜2000円中心の靴下やレギンスを“入口商品”として導入。通常より安い180円のメール便を利用できるようにして買いやすくした。新規客獲得に大きな効果を発揮し、ほぼ毎日注文が入っている。
売れ筋ブランド「コース」の商品画面。「ほらね・・・やっぱり私はコースが好き」というコピーが印象的

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