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特集
産地ベトナムが動き出す
日本企業の工場進出

 ビナモードインターナショナル
 エルピーディが独資で設立。2月から本格稼動を開始

 ベトナム第3の都市といわれるハイフォン市のトラン・デュエ工業団地で3月5日、ビナモードインターナショナルの開所式典が華々しく催された。式には日本から招待した靴企業やハイフォン市、周辺にある台湾系メーカーなど100人以上が集まり、工場完成を祝った。
 ビナモード社は婦人靴企画卸のエルピーディ(東京・渋谷区、http://www.lpd.jp)が08年8月、独資で設立した靴製造輸出会社。エルピーディの大久保隆一郎社長はベトナム進出の理由を「中国に比べて工賃が安く若い人材が豊富。欧米輸出の実績もあり、日越EPA締結のメリットも得られるから」と説明する。
 大久保社長が海外の生産拠点として、ベトナムの検討を始めたのは96年。早い段階から調査していたが、当時は環境が整っておらず時機を待つ状況が続いた。カンボジアをはじめアジア各国も検討したが、人口の少なさや政情不安、輸送網の未整備など問題が多く、やはりベトナムが最適との判断に至った。「大乗仏教が多い、箸を使うなど文化背景が日本と似ており、東アジア人として価値観が理解しやすい。これは将来性を見据えた場合大きい」。
 07年、ベトナムはWTO(世界貿易機関)加盟を契機に、企業統一法が制定。外資でも国内企業と「同じ土俵」で製造販売できる環境になったことを受けて、現地法人設立を本格化させた。場所は材料調達する中国に近く、日本にも輸送しやすい北部の港湾都市、ハイフォンを選んだ。
工場の着工は09年2月。靴製作経験者40人を雇い、近隣で廃業したレストランを借りて技術トレーニングを開始した。工場完成後、10月からテスト操業し、今年2月から本格稼動をしている。



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