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売場の三つ星ブランド

スピングルムーヴ
(スピングルカンパニー) 
  伝統的な製法をベースに、はき心地を追求。 独自性の高さで快進撃を続ける  オリジナリティの高い製法とデザイン、そしてはき心地の良さ。3拍子そろったブランドとして躍進しているのが「スピングルムーヴ」だ。スタートしたのは97年。国内の靴製造現場の空洞化が進む中、カジュアルシューズやゴムタイルの企画・製造・販売を手掛けるニチマンが、70年以上の歴史を持つ国内工場をなんとか残したいとスピングルカンパニーを設立。付加価値の高いブランド、スピングルムーヴを立ち上げた。
 一番の特徴は、ゴム製のソールと革製のアッパーとを高温加熱して接着し、足に密着して靴底に弾力性を与えるバルカナイズド製法にある。また、踵部分の芯として、加熱により立体設計されホットメルトを使用。通常スニーカーでは用いられない材料を選択したのは、足の踵と靴の踵部分とに一体感をもたらすためだ。ライニングは革靴のように内張されている。ソールの意匠については特許取得済みだ。
 デザインははき口が狭く、甲の低いヨーロピアンタイプ。スタイリッシュでスリムなデザインだが、それでも「はきやすい」と客の評価が高いのは、伝統的な製法を守りつつ、スニーカー作りの常識にとらわれずにはき心地を常に追求しているからだろう。(ジャーナリスト・三田村蕗子)

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