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 新・ニューヨークレポート  3  
   コミュニケーションデザイン 渡辺孝二

メトロ・ランニングストア  Part−1
新ラニングストアの登場
 アメリカのランニングショップに新世代のチェーンが登場し始めた。これまでランニングチェーンといえばサブ4(マラソン完走4時間未満)クラスの中・上級レベルランナー対象で、本格的ランニングシューズモデルを販売している店といったイメージが強かった。
新登場のランニングショップはランニング、トレーニング、ウォーキングの売場をクロスオーバーした店舗がメインストリームになっている。
トラディショナルなランニング専門店は、ランナーだけを対象にしたストアを展開してきた。日本で07年から現れ始めたランニングショップはビギナーまで広げた客層を設定しているが、本質的にはランナーをコアカスタマーにしている点で、70年代後半にアメリカに誕生したトラディショナルなランニングショップと同じである。
これに対して、05年ころからアメリカで登場しはじめた最新のランニングショップは、一般客を含む幅広い客層を吸引するMDを打ち出している。販売ポリシーもレース出場やランニングファッション提供よりは、ボディーコンディショニングとベーシックトレーニング用の製品重視を打ち出している。ニューランニングショップは,新しいスポーツフォーマット(業態)を開拓しつつある。

ラン・バイ・フットロッカー
フットロッカーが10年2月、マンハッタンのユニオンスクエアにオープンしたランニングのスペシャリティーショップ「ラン・バイ・フットロッカー(RUN by Foot Locker)」は、新フォーマットのランニングショップの1店である。
フットロッカーはもともとバスケットシューズ主力のチェーンで、90年代のバスケットボールブームで最も恩恵を受けたチェーンだった。90年代末にブームが終ってから業績低迷に陥り、ここ10年近くリストラを繰り返してきた。
アメリカのランニング専門店チェーンは前年対比6〜10%の伸びになっている。フットウエアでもランニングは最もホットな分野になっている。フットロッカーも低迷しているバスケットシューズに代わる成長分野として、ランニング部門を強化し、チェーン体質を改善するの目的で「ラン・バイ・フットロッカー」を開発した。
同社は店頭とウェブを合計するとランニング部門で2400SKUを取り扱っている。この品ぞろえは、有力ランニング専門店に匹敵する充実度である。それにもかかわらずニューヨークのトップランニングショップという評価を確立できなかった。

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