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市場分析 急成長するトーニング、ランニング人口 スポーツに関連する靴が売場で躍進を続けている。これまではシリアス需要が主力だったが、特に美容効果で大ヒット中のトーニングや東京マラソンを機に競技人口が急増したランニングは、新たな客層の開拓で裾野を拡げているアイテムだ。またアウトドアの人気から派生して、デザインのみ取り入れた商品も幅広く展開されている。 特集では東京や大阪7店舗での取材をもとに、トーニングとランニングの市場分析と各店の取り組み事例を紹介する。 需要本格化するトーニング 不安定なソール構造で脚に負荷を掛け、引き締め効果を促すトーニングは、ここ数年で稀に見るヒット商品として急浮上した。「イージートーン」「シェイプアップス」をはじめ、ナショナルブランドが次々と新商品を投入し、靴売場で1つのカテゴリーを確立。扱い店の売上げ規模は前年比2ケタ増から数倍に拡大し、伸び続けている。 躍進の理由は、日常生活ではくだけで一定のトレーニング効果が得られる「気軽さ」。運動不足を感じながらも、仕事や家事で忙しい30〜40代の女性が持つ潜在的なニーズにぴたりと合致した。「ビーシーウォーカー」「チャンシー」など歩行姿勢の改善を打ち出すブランドも登場し、50代以上の関心も高い。すでに運動している人には、よりトレーニング要素の強い「MBT」に根強い人気がある。 いま最も勢いのあるブランドはイージートーン。昨年春と秋に展開したCM効果で幅広い世代に認知され、数多くの指名買いにつながった。1万円前後の比較的買いやすい価格設定も奏功し、リピーターが目立つ。この価格帯はスポーツブランドの参入が相次いでいるため、今後の競争激化は必至だ。 求められるデザインは洋服に合わせやすい、黒または白のシンプルなもの。20代など若年層にはゴールドなどメタリックカラーも好評だ。今後はファッション化が進み、「カロリーウォークプラス」のように婦人靴と変わらないデザインの需要も増えそう。 「各社から出そろった」トーニング市場は、今年は本格的な盛り上がりが期待される。一方で売場の同質化が進むことも予想され、客層に応じた品ぞろえの絞り込みや接客の向上、陳列の工夫が必要になってくるだろう。需要全体の1割程度にとどまっているメンズの開拓も課題だ。
2階はウェルネススポーツのフロアでウォーキングやランニングを主力に展開する。シューズではトーニングを含むフィットネスウォーキングとランニングが「絶好調」に推移しているという。 「30〜40代の女性を中心に幅広い年齢層がトーニングに注目している。特にリーボック『イージートーン』は前年比では数百%というような躍進」(外間孝次マネージャー)。テレビCMの影響が非常に大きいと見ており、4月からCMを始めたアシックス「ビーシーウォーカー」も今後期待できるという。「このカテゴリーではお客様が値段にとらわれにくく、1万円くらいでと考えていた方が3万円の商品を購入されるような場合も目立ちます」。 10月の大阪マラソンに向け活況 「首都圏では売上げが一段落とも聞きますが、大阪では少し遅れてブームが来た」というランニングは、10月開催の第1回大阪マラソンに向けて需要が加速している。同店でも取り組みを強化しており、各種マラソン大会の販促物コーナーの設置や、館外ではアシックスなど企業とともに「ランニングクリニック」などのイベントを多数行っている。 またランニングコーナーの販売員は全員がランナーで、経験をもとに親身になってアドバイス。こうした接客やトータルでの商品構成により、ウェアや時計、サングラスなどとのセット買いが多いことも特徴だ。シューズの売上げは前年比135%の高い伸びを示している。 3月は東日本大震災の影響を一時受けたものの、4月に入り回復しつつあるという。今後も好調が持続すると見ている。
他の売場は本誌に (新宿小田急ハルクスポーツ/京王百貨店新宿店/スポーツタカハシ/シュープラネット/アスビー 渋谷センター街店/楽歩堂 昭島モリタウン店) |
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