今月の記事・ピックアップ 2011・7
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MDガイド
ジュニアスポーツ シューズ

伸長続く「早く走れる靴」市場。
大人っぽいテイストと新たな切り口提案が鍵


 「運動会で早く走れたら格好いい」。昔から変わらぬ子どもたちの志向をとらえたスポーツシューズ市場は取材各社とも2ケタ増を記録。主に低学年の子どもに支えられ、右肩上がりが続いているが、ブームに終わらせず、高学年の需要も獲得するため、各社各様に新たな切り口を模索している。(ジャーナリスト/三田村蕗子)
  
■取材企業・店
ムーンスター アシックス商事 ミズノ アキレス 

■企業レポート
 ムーンスター

「スーパースター」独自機能パワーバネ360を拡充
 「パワーバネ」を搭載した「スーパースター」は、CMや販促の効果もあり、「バネの靴」として小学校低学年を中心に子どもたちの間に浸透。販売店は2000店以上におよぶ。
2本バネと3本バネに加えて、パワーバネ360(全方向にバネが機能する)を搭載したサッカータイプが好調だ。今秋冬にはコートタイプを追加。パワーバネ360のラインナップも拡充を図る。  「小学生なら100%誰もが知っている、というブランドに持っていくことが目標だが、現状の課題はバネのチカラとスーパースターがイコールではないこと。ここを一致させ、スーパースターをブランドとして育てていきたい」(布靴商品企画第1課・松永健太さん)。 
同社では昨年、走り方教室をベースにしたイベントを2回、小学生対象の陸上大会への協賛を3回実施。今後はさらに増やし、ブランド名の定着を図る計画だ。  

   
 「パワーバネ」の機能を伝える販促物を店頭に設置  「スーパースター 」J197 パワーバネ360 ブラック ¥2,900


 アシックス商事

「タイゴン」レーザービームを高学年に訴求
 「タイゴン」「ダッシュ」「ハイスピード」の3ブランドのうち、レーザービームを擁するタイゴン(http://www.asics-trading-tigon.com)に意図的に注力。タイゴンの売り上げは前年比125%と絶好調だ。ジュニアシューズの販売足数計125万足のうち、すでにレーザービームが50万足を占めている。「早く走れる靴」としては後発のため、ビジュアルイメージにイチローを起用して「本物・本格感」を創出し、高学年への浸透を図ったオンリーワン戦略が功を奏した格好だ。  レーザービームの販路は、スポーツ専門店や量販店、靴チェーン店で、トータル約3000店。「スポーツ専門店はまだ伸びしろがある。またレーザービームをコーナ―展開していただいているお店には、専用のツールを提供するなど販促も強化していく」(マーケティング本部商品戦略室・松井宏彰さん)。秋冬も他社にはない色味を追求し、リクエストの多い女児カラーも投入する。目標は3年後の200万足達成だ。

   
 イメージキャラクターにイチローを起用  「タイゴン」レーザービームAN-2029 白・ゴールド ¥3,000


 ミズノ

「ミズノキッズ」はインソールで差別化
 「運動」と「健康」の2つのコンセプトで1〜12歳の商品を「ミズノキッズ」(http://www.mizuno.jp/kids)としてラインナップ。「早く走る」だけでなく、「健康な足が育つ」という観点で開発したインソールで差別化を図っている。フィッティングを重視しているため、主力販売店はまだ60店と少ないが、今年は100店、来年には200店に増やす計画だ。販売足数は前年比115%の22万足、売上げは114%の4億4000万円。このうちジュニアは62%を占めている。  売上げは順調に推移しており、「子どもの適正な成長を促進したいという意識の高まりが追い風となっている。『走る』靴については最近強化したばかりだが、もともと当社が一番得意なゾーン。野球やサッカーの契約選手をメッセンジャーに子どもにアピールするなど、ミズノ全体での取り組みを進め、エコや体に良い効果などを伝えていく」と、ウエルネスシューズ企画課課長の山本仁さん。
今年10月にはミズノがスポンサーとなる大阪マラソンが初開催される。ミズノキッズ躍進のきっかけになりそうだ。  

   
 イメージキャラクターは子役タレントの加藤清史郎くん  「ミズノキッズ」マキシマイザーJX BKJ-12014 ホワイト×ネイビー/レッド ¥3,600


販売動向、商品傾向は本誌に