今月の記事・ピックアップ 2011・7
 HOME > フットウエアプレス >  ニューヨーク最新業態レポート 5 
 

コンバース

メガストアのグローバル展開がスタート

ニューヨークには世界の高級ブランドがフラッグシップストアを出店し、有力小売チェーンがメガストアをオープンしてきた。その大半はクロージング、バッグ、ジュエリーストアで、フットウエアストアはどちらかというとマイノリティーだった。ところが07年にナイキがフットロッカーとジョイントベンチャーで「ハウス・オブ・フーブス(House of Hoops)」をオープンしてからは、フットウエアブランドの直営ストアや小売チェーンのメガストアが急に増加し始めた。しかもこれまでニューヨークに出店するストアは旗艦店業態が多く、ショールームのようなインテリアとマーチャンダイジングが普通だった。
ところがコンバースが昨年末マンハッタンにオープンした直営店は、ストアコンセプト、プロダクト、インテリアデザインの三拍子そろってユニークなストアになっている。フラッグシップストアというよりは、むしろフットウエアブティック≠ニ呼ぶのがふさわしいストアである。

旗艦店を2店舗連続出店
コンバース(本社:マサチューセッツ州ノースアンドーバー)は10年10月、ボストンにフラッグシップストア第1号店(※1)をオープンした。ニューヨーク店はボストンに続くフラッグシップストア第2号店(※2)である。オープニングは11月26日のブラックフライデーで、コンバースの力の入れようがわかろうというものである。
先行出店したボストン店のストアコンセプトは「パンクスタイル」(コンバース発表)で、同ブランドがロックミュージシャンに人気が高いのをストアイメージに反映している。また壁面はレンガ、フロアはウッドで、ブランド発祥地ニューイングランドの雰囲気を表現している。
ニューヨーク店は基本的にはボストン店がベースになっているが、インテリアやディスプレイはニューヨーク独自のデザインに変更されている。ボストンに比べて観光客が圧倒的に多いため、壁面にレッド、ブルー、ホワイトのチャック・テイラー648足を星条旗パターンにディスプレイして、観光客にアメリカイメージを強調している。
ニューヨーク店はチャック・テイラー/オールスター、ジャック・パーセル、シェブロンスター、ワンスター、ジョン・バルベイトスの全コレクションをそろえている。ストア限定のシェブロンスターを含む特別限定モデル40型もボストン、ニューヨーク両店で発売した。ストア特別限定モデルのシェブロンスターはシューズ、TシャツのいずれもI love Boston≠ニI love New York<鴻Sがプリントされている。
コンバース旗艦店でもう一つ見逃せない重要なことは、カスタマイズとコラボレーションのためのステーション機能である。ボストン、ニューヨーク両店とも正面奥にはカスタマイズのオーダーコーナーが開設されている。オーダーコーナーは最近のほとんどのナイキショップに標準装備(ナイキiD)されているが、コンバースの本格的なオーダーカウンターはフラッグシップストアで初めて開設された。


続きは本誌に