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特集
ビジネス& パンプスに 求められる快適性

販売動向

震災と節電ビズで機能底の紳士靴が好調

 機能ビジネスを扱う紳士靴売場や紳士靴店は、東日本大震災が発生した3月こそ前年割れだったが、4月以降は例年以上に好調に推移している。
チヨダ八重洲店は4〜7月が前年実績を上回った。震災で歩くことに不安を覚えたお客が、一般的なゴム靴から機能靴や歩きやすい靴に関心を持つようになった。東急の紳士靴売場を運営するシュー・パブたまプラーザ店も、40〜50代を中心に機能的なゴム底のニーズが高まり、4〜7月の売上げは2ケタ増となった。
 さらに好調なのが松屋銀座店。震災直後の売上げが前年の倍を記録し、7〜8月現在も50%増で推移している。節電によるクールビズ導入の拡大で、歩きやすく、ムレにくい機能が注目された。「若い人がはきたくなるようなデザイン」の増加も、売上げの底上げにつながっている。

ヒールやデザインが増え
高機能パンプスの需要拡大


はき心地良い、歩きやすい、疲れにくいなどの機能面を強化したパンプスは、一般的な婦人靴より価格が高い。東武百貨店池袋店の場合、売場全体の中心価格1万4000円より4000〜7000円上がるものの、売上げは3〜7月で前年比2ケタ増と非常に好調だ。島屋新宿店でも3月の震災以降、こうした商品の客幅が拡がっている。「家まで歩いて帰れる靴」かどうかという、通勤用の靴に対する新しい価値観が生まれた。
需要拡大とともにメーカー各社はデザインの種類を増やしつつある。ヒールの高さや形状に加え、装飾パーツや異素材コンビ、差し色など、トレンドをほどよく取り入れた商品が目立つようになった。高機能パンプスは「ブランドのリピーターが付く可能性を秘めている」と島屋新宿店では見ており、1つのブランドでさまざまな色やデザインの選択肢があれば、さらに市場が拡がることだろう。

商品動向、売場レポートは本誌に