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![]() 靴企業の実質的被害は軽微 日本における観測史上最大のマグニチュード9・0を記録した3月11日の東日本大震災。地震の揺れと津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故は、東北と関東の太平洋沿岸部を中心に甚大な被害をもたらした。靴業界でも、同地域にあるメーカー・卸、小売は建物・設備・什器類の破損や転倒、電気をはじめとしたライフラインの乱れがあった。 メーカー団体の東都製靴靴工業協同組合が3月末に行った被害状況調査では、会員134社のうち14社が何らかの被害を受けたことが分かっている。天井一部のはがれ、ミシンや背の高い機械設備の転倒などがあったものの、いずれも軽微な被害に止まった。交通網の混乱により、部材や製品の搬入が滞った工場もあったが、数週間で回復している。 ![]() ![]() 小売店の大半も、建物の一部損壊などで直接的な被害は軽微だったが、宮城県塩釜市のコンフォート店、ラ・ムスタッシュは津波で浸水。只野敏雄社長は5月から機械の修復など復旧作業に当たっている。大手チェーンは東北・関東地域でチヨダ222店、エービーシー・マート131店、ジーフット199店が被災。各社とも4月上旬までに90%以上の店が復旧した。 ただ、計画停電と節電による営業時間の短縮、鉄道の不通、自粛ムードの広がりで、百貨店を含め東北・関東の店は3月の売上げを大きく落とした。 4月以降に売上げ回復 ![]() 大手3社が発表した既存店売上げを見ると、チヨダとエービーシー・マートは4〜9月の6カ月連続で前年実績を上回り、ジーフットも5〜10月が前年並みまたは微増で推移している。復興需要と機能性商品の需要が拡大したリーガルコーポレーションは今期(12年3月期)第1・第2四半期は、靴小売事業と靴卸売事業ともに増収増益となった。 震災をきっかけに、通勤で長時間歩いても疲れにくい機能的な紳士靴やパンプス、スニーカーへの関心が高まり、節電対応の“超クールビズ”に合わせた買い替えが進んだことが売上げ増の主な理由だ。被災地にある店では復興需要が継続していることも、業績を押し上げている。 再評価された機能性 ![]() 婦人靴も機能性を高めたパンプスが売れた。島屋新宿店では震災後に「家まで歩いて帰れる靴」を求めるお客が増加。「ヒールは歩きやすい3pか、脚のラインがきれいに見える7pが人気」で、3〜7月は2ケタ増となった。 機能パンプスでとくに消費者の支持を広げているブランドが、ワコールの「サクセスウォーク」。7pヒールの1品番で足長8通り・足囲4通りの32SKUをそろえ、自由に試しばきできる専用什器での販売手法が好評だ。今年上半期は前年同期比35%増を記録している。今後はデザインの拡大やシーンに合わせた提案により、「ビジネスパンプスというカテゴリーを確立させていきたい」とワコールのウエルネス事業部・森川浩行商品部長は話す。 かつて経験したことがない大震災で、消費者は歩くことの大切さを知り、靴を見直し始めた。靴売場はそうした潜在的なニーズをくみ取り、どのように商品を展開し訴求していくのか。これは単に機能靴というカテゴリーに止まらず、靴全般を扱い販売する上で今後の重要なテーマとなっていきそうだ。 ![]() ![]()
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