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12年春夏の靴展開ガイド

春夏MD計画

最近、消費者心理に変化が見られる。特にここ数年はデフレ傾向により、低価格化が進んでいたが、大震災以降、価格ではなく新たな価値観や志向を優先する人が増えている。そのような中で、売り手側が既成概念に囚われていては、消費者からの支持を得られなくなるのは必至。市場傾向も大きく変わり始めており、ここでの対応如何によって、今後の取り組み方、生き残り方に違いが出てくると思われる。


レディス編
エレガンスとともに、カジュアルにも注目

 消費者の志向が多様化し、これまで春夏はエレガンス化傾向が強かったが、今年はカジュアルも注目される。エレガンス系もクール、フェミニンの両方が浮上。品ぞろ
えが広くなり、在庫過多や売り逃しの可能性も出てくるので、自店のターゲットや商品展開スケジュールは、細かく決めておく必要があろう。


【フェミニンパンプス】
華やかなアクセサリー付きパンプス

 春はオケージョン需要が高く、フェミニンパンプスが主流となる。展開アイテムに変化を持たせながら、夏までコーナーでの訴求を続けたい。
 春は謝恩会、卒業式、入学式、入社などの行事が多く、必需品としての側面が大きい。特に卒業式、入学式などは、大学生だけでなく、お子様の式に参列されるお母様、お孫様の式に参列されるお祖母様と、対象客層によって履く靴が異なる。それぞれの客層に対応できるよう、アイテムにも違いを出したい。大学生には華やかさを強調するため、大きめのコサージュやリボン、ラインストーンやビジューなどの分かりやすい装飾付きや、サテン使いで上品さを出したパンプスがお勧め。お母様にはカジュアル感も持たせ、可愛らしさやキレイさをプラスしたい。お祖母様には長時間立っていても楽なヒールで、歩きやすいパンプスを提案しよう。どの世代にも汎用性が重要で、普段履きができるおしゃれで華やかなパンプスが求められている。カッターなどもプラスし、いろいろと選べる売場にしたい。
 初夏からは結婚式シーズンを見据えた展開が欲しい。アイテムバリエーションを持たせ、春からの継続アイテムだけでなく、新しさや夏らしさも演出しよう。



【レトロ系】
レトロ感を各アイテムで表現する

 今年は各ゾーンで、レトロ感がポイントとなる。単一イメージにならないように注意しよう。
まずはマスキュリン系。「男前女子」が一般化し、カッコいいクールな女性が増えている。パンプスやカッターでも、女性らしく華やかなアイテムだけでなく、マスキュリンタイプも人気となる。トラッド系のアイテムやディテール使いが主で、前述の「OJI靴」よりもエレガントに仕上げているが、レトロ感は必須だ。
 フェミニン系アイテムでは、久々にバックベルトが復活。これまで市場からほぼ消えていたアイテムだが、レトロが注目されたことにより、再登場となる。ラスト、ヒールなどが新しくなっているので、既存のアイテムとはイメージも異なる。これまで市場になかったため、お客様がお持ちでないことも、購買につながりやすくなっているという面もあることを忘れてはならない。



【ボリューム感】
ボリューム感のあるソール、ヒールは継続

 昨年はハイウェッジを中心としたボリューム感のあるアイテムが人気となったが、今年も継続。今年はウェッジだけでなく、ストーム+ハイヒールでボリューム感を出したアイテムが増加。またヒールもさまざまな変形ヒールが登場し、ヒールだけでもボリュームを感じさせるものが多く出てくる。
 またアンクル丈、ブーティ丈、甲深アイテムなど、アッパーでのボリューム表現も増える。






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