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中国を中心に海外来場者は増加  

2013年春夏素材見本市リネアペッレが、4月3〜5日までイタリア・ボローニャ見本市会場で開催された。
 出展社は前年同期時期より微増の1047社(イタリア740社、国外307社)。内訳はタンナー506社、アクセサリー・コンポーネント422社、ノン・レザー99社、デザイナー・学校13社、その他(プレスなど)7社となった。
 来場者数の具体的な数字の公表はなく、国外来場者の比率は40%だったが、イタリア国内来場者が大幅に減少と発表している。国外に関してはドイツ、フランス、イギリス、トルコ、中国、香港、ポルトガル、日本からの来場者が増加している。
 今回から展示会カタログの表記に中国語が加わり、中国人来場者の増加ぶりがうかがえる。某イタリア人デザイナーは「中国人はタンナーから現金で上質な革を買っていく。我々はその残りを使うのさ」と現状をこぼしていた。



素材傾向
トレンドはきれい目カラーで

 今回は仕上げ加工の変化はほとんど見られず、全体的に洗練されたきれい目な色が提案されている。デリケートなカラーリングで新しい形の“ビンテージ”“ノスタルジー”を表現している。
 エナメル、ラミネート加工は根強い人気で、メッシュやパンチングも春夏素材にはかかせない表現となっている。
 “軽さ”“柔らかさ”に加えて、厚みのあるシックに仕上げたカジュアル感覚の革も注目だ。



     
 デリケートカラーで“ネオ・ヴィンテージ”    メッシュもきれい目カラーで(Querida)

 

幅広い表現のパステルカラー
 
全体的に透明感のある洗練カラーが提案されており、素材によって表情がそれぞれ違っている。パステルカラーは強く鮮やかに仕上げた物から、淡くデリケートに仕上げたものまで幅広い。さらに、昔のイラストに使われているようなアンティークカラーもトレンドカラーとして提案されている。
 白のバリエーション、ベージュやブラウンなどナチュラルカラーはより透明感を醸し出している。






人気のエナメル、ラミネート

 エナメル、ラミネート加工ともに人気素材として定着しているようだ。「Falco Pellami」では、エナメル風に仕上げたシープスキンで、自然な雰囲気のシャイニーを表現。
エレガンスを得意とする「Sicerp」ではグリッター人気が根強く、今回、クリスタルを織り込んだ素材を新しく提案。その一方で、ウッド調のナチュラル素材を提案している。
 「F.M.」も同様にエナメル、ラミネート加工が人気で、フラワープリントが人気のようだ。













ストロングカラーが人気
 
ノン・レザーでは、鮮やかなパステルカラー、ネオンカラーが人気。コットンや麻などナチュラル素材からPVC、ビスコースと幅広い素材で明るいポジティブカラーが提案されている。



 
 ポイントはボリューム感
ウエッジやストームとボリューム感のあるヒールは引き続き人気。「ヤングは低寸、高寸ともボリューム感がポイント」と話すのは木型を提案するエンゾ社のべレッティ社長。トウ部は丸くなってきているという。
 ファッションブランドに幅広く浸透しているヴィブラムソールは、より軽く耐久性のある新しい素材を使ったソールを提案。ブランド力の強さは「クオリティーの追求を常にかかさないこと」とヴィブラム社アドリアーノ・ズッカラ社長。
 アクセサリーもレザータッチ、サマーパステル、ネオンカラーと素材のトレンドに沿ったデザインを提案している。