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防水・消臭製品が好調、 クールビズ対応の製品も伸ばす

10年9月に社長に就任した服部達人社長。昨年は大震災の影響で行われなかったコロンブス恒例の「靴みがき入社式」を今年4月、社長になって初めて実施するなど大変な時期に就任したが、業績は順調に伸ばしている。最近の状況を聞いた。

ヨーロッパ市場で販売を開始

――最近の販売状況からお聞かせください。

今年の状況は一昨年をベースに見るべきだと考えていますが、全体的には好調に推移しています。特に防水や消臭関係の商品の動きが良く、売れています。震災を境に特に変化したことはありませんが、手入れ用品を使うことで、靴を少しでも長くはこうという傾向は見られます。そんな中で、防水関連の商品は大きな柱になっています。

――メンズの需要が大きい市場だと思いますが。

個人的にはもっと若い女性の需要を喚起したいと思っていますが、まだ考えているような形で商品化が進んでいません。「女性のための」という切り口で、さらに快適なフィッティングが得られる用品やフィットケア用品のラインアップを考えている途中です。女性は靴や足のケアに対する関心は高いと思いますが、そういったことをだれに相談したらいいのかわからないのが現状です。ましてや専門の知識を持った人が売場に少なくなっている中では、セルフ販売の中であって、そういった悩みに応えられる商品をいかに手に取ってもらえるかが課題です。

――「ピッティ・ウオモ」への出展は結果が出ていますか

イタリアで開催されているメンズのアパレル、ファッション雑貨見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ」にこれまで3回、高級シューケア用品「ブート・ブラック」で出展していますが、ようやくイタリアに代理店が決まりました。すでに商品を送り込み、代理店を通してドイツやイギリスのショップで販売されることになりました。
 見本市の来場者は、ファッショナブルで新しいものを探しており、メイド・イン・ジャパンの商品であることは訴求力になっています。また、ケア用品をシリーズで提案し、ブランドの世界観を見せたことで評価されたと思います。こうしたブランディングは日本市場に跳ね返ってくることも期待しており、日本の百貨店やセレクトショップでの展開も進めていきます。

若い人の発想による商品開発に期待

――国内での最近の商品開発についてお聞かせください

国内市場で話題となっているのにクールビズ対策の商品があります。靴の表面に当たる太陽光線を跳ね返し、靴の表面温度が上昇するのを抑える効果を持った靴クリーム「クールエフェクト」や、足が触れた時に冷たさを感じる接触冷汗性≠ノ優れた「クールウォーカーインソール」です。ほかにメントールを配合して冷やしながら消臭するスプレー「オドクリーンクール」があります。
昨夏、発売しましたが、昨年は外部でデータを取ることに時間が掛かった関係で、市場に投入するタイミングが遅れてしまいました。でも話題性があって売れました。説明販売することで売れる商品として販路は限られますが、クールビズ対応の差別化商品として、今年はさらに伸びを見込んでいます。
商品開発の考え方として、1ヵ月の1製品の開発を考えています。いま社内には20人の研究開発スタッフがいますが、その半数が20代の若者です。彼らの中から新鮮な発想の製品が出てくることを期待しています。

――中国市場での営業は伸びていますか。

中国市場での販売は大変好調です。前年比30〜50%アップのペースで伸びています。売場は拡大しており、売場がケア用品をもっと啓蒙していけば、さらに需要の拡大が見込める市場です。またスエード関連のスプレー需要が大きいという市場特徴があります。メーカーへの仕上げ材供給は、ハンドバッグ・メーカーも有望です。