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(東京・中央区)

スタッフの共通意識が売り上げにつながる

 2009年5月1日、(株)ライフギアコーポレーションは「ソールスター」を立ち上げた。オリジナルブランド誕生と同時に直営店もオープンし、3年目を迎えた現在でも好調に推移している。専門店が厳しい中でも、同店が黒字を続けている理由を探った。

「銀座の閑静な裏通りに佇む小さな店」

 百貨店や高級ブランドが並ぶ大通りから裏に入ると、「ソールスター」の直営店がある。7坪の小さな店内にはガレージ、庭、リビングなどそれぞれをイメージした什器やディスプレイが設置されている。
商品は「ソールスター」、「インディアン」、「ツェハ」、インポートの子供靴「ポリウォークス」の4ブランドで構成している。平均単価は6,000円前後。銀座では比較的値頃な価格で提案していることもあり、2~3足をまとめて購入する顧客も多い。

「口コミ効果を狙って店舗に呼び込む」

 「直営店を立ち上げた当初は、ブランドや店舗をPRするホームページなどが一切ない状態からスタートしました」と話すのは、店長の宮島さん。一から顧客作りをするために、同店ではいくつかの試みを実践した。
① 店の入り口で音楽を流す
銀座の裏通りは人の流れもまばらで、店を運営するには不利な場所。また小さな店舗ということもあり、気付かれず素通りされてしまうことが多々ある。そこで店の入り口付近で音楽を流した。店の前を歩く人が音に反応し、興味を引かせることに成功。入店率も上がった。
②店の周りを毎日掃除する
店頭だけではなく、通りに面した長い道路の掃除を毎日行う。隣店のスタッフと自然と挨拶を交わすようになった。通りがかりの人たちも店があることに気付き、店の認知度を上げていった。銀座店周辺の他業種の方々からの来店誘導も狙った。
③接客はじっくり丁寧に行う
同店の客層は20代後半~80代と幅広い。顧客によって話すスピードなどを変える工夫をしている。自店のターゲット層でない場合でも、必ず丁寧な接客を心がけている。例え購入に繋がらなくても、家族や孫、友人などと再び来店するケースが多いからだ。
 その他には「スニーカーをどう合わせていいか分からない」という女性たちの悩みに応え、デジタルフォトフレームを設置。スライドショーでコーディネイト提案を行い、顧客の滞在時間を延ばしている。
ブログも開設しており、商品PRだけではなく銀座の街情報を発信する。こうした地道な活動が功を奏し、人が人を呼び常連客も20人、30人と増加。2年で黒字を達成した。

「若手スタッフの感受性を育てる」

同店はスタッフ育成にも力を入れている。
「若い世代には考え方ではなく、“こうやれば売り上げに繋がる”などのやり方を教えています」と宮島さん。一人ひとりの能力に合わせた伝え方で、スタッフのやる気を引き出している。時には他業種店を周り、接客態度を学ぶこともある。他店の接客を受けることで、自分が顧客に対してよくない対応をしていないか気付く機会を一緒に体験している。
 同店のスタッフは毎月、売れているアイテムや売れないアイテム、感じたことなどをレポートに書いて提出している。他にも毎週同じ時間、場所(有楽町ルミネや阪急メンズ館など)で、人の流れを観察。他店の売れている理由、売れていない理由を分析し、自店に反映させる狙いだという。   
宮島さんは「スタッフが共通意識を持つことで全体の士気が上がり、売り上げにも繋がっています」と話す。『人が育つことで店が育つ』ように、地道な顧客作りと若手スタッフの育成が右肩上がりを続けている理由となっている

         
ベージュは男性だけではなく、女性客からの支持も多い
(「インディアン」604) 
   女性に人気の高いファブリック柄
(「ソールスター」SO50)
  ユニセックスなブーツタイプは幅広い世代に好評だ
(「ソールスター」SO51) 

ソールスター銀座店
〒104-0061
東京都中央区銀座3-4-17 三徳ビル1F 電話 03-3561-6225

★ブログ
http://ameblo.jp/solestar/