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業界のこの1年
 
 アジアリング(株) 坪谷聡子/川崎智枝

今年の人気要素は「カラー」「柄」「素材」

昨年の震災を経て、消費者の意識に変化が現れてきている。
靴は汎用性と機能性が求められるようになり、安心できるアイテムが実売商品となっている。トレンドもアイテムよりディテールが重視されるようになった。
バッグは昨年の暗いイメージからの反動で、今年はカラフルさが求められたり、昨年減少した旅行需要が増加したりといった、反動需要が多く見られた。



 
       
 

 
 カラー 
レディス・メンズ
 レディスでは春にエナメルを中心としたベージュ、シャーベットカラーのパンプスが大ヒット。秋にはスエードが主流となり、カラーコンビ、カラーブロックなどがトレンドとして人気となった。
メンズでもネイビー、赤などが実売化し、カラーが必須となった。
 

 ナチュラル 
レディス・メンズ
 今春夏のトレンドは「ナチュラル」。リネン、ジュートなどのナチュラル素材が大活躍した。特にアッパーにリネン、メッシュなどを用いた丸物、オープン物が盛夏までよく動いた。
メンズでもジュート使いが登場し、エスパドリーユなども実売商品となった。
 

スタッズ 
レディス
 今年はロンドン、パンクがトレンドで、スタッズ付きアイテムが数多く登場した。エレガンスやカジュアルと、アイテムに関係なく取り入れられた。スタッズの形状や大きさ、数などで、ティーンだけでなく大人まで幅広い層に支持された。
 

 バルカナイズスニーカー 
レディス・メンズ
 メンズではシューズやブーツ感覚ではけるバルカナイズスニーカーが、ここ数年人気となっている。今年もシューズ風デザインが増え、人気も拡大した。
 レディスでは今春、キャンバススニーカーがヒット。柄、色などでの訴求が功を奏した。
 


 起毛カジュアル 
メンズ
 オックスフォード、チャッカー、ドライビング、ワラビーなど、メンズではスエード素材のカジュアルが一気に拡大した。今年はカラーバリエーションが必須で、売場を華やかにした。サドル、レンガソールなどの懐かしのアイテム、ディテールも登場した。
 

 ブーティ 
レディス 
 今秋はブーツが苦戦。その中で、例年より丈の短いブーティが健闘した。短靴感覚で、暑い時期からはける安心感が、人気の要因。トップラインもこれまでのショートから変化し、シンプルデザインでシルエットを強調したアイテムが多く見られた。
 

 ベーシックカジュアル 
レディス
 シーズンや年齢を選ばないカジュアルアイテムが、年間を通して動いている。素材感やはき心地の良さを追求したアイテムが主流。サンダル、ブーツなどのシーズンアイテムが不振となる中、安心してはける、安心して買えるアイテムが強さを発揮した。
 

 デッキ 
メンズ
 メンズでの夏の定番となったデッキは、今年も大ヒットした。素材、カラーバリエーションが増え、選択肢が広がったことも人気継続の要因。マリン調だけでなく、ナチュラル系、アウトドア系などテイストも拡大し、デッキブーツなども登場した。
 

 スリッポン 
レディス
 「男靴」「OJI靴」が注目され、オックスフォード、ローファーなどのトラッドシューズが主役を担ってきた。今年は新顔としてスリッポンが登場。フラットシューズ同様のはきやすさもあり、トレンドアイテムとして支持された。
 
 プラットフォーム 
レディス
 今年はボリューム感が注目されており、昨年までのハイウェッジ一辺倒からプラットフォームへとシフトした。ラバーソールも含めてヒットした。アッパーはこれまでマニッシュ系がほとんどだったが、カッター、スニーカー、ブーツなどにも広がった。
     

  
       
 
 
カラフルカジュアル 
レディス
 今年は1年を通して色が重要なシーズンだった。売場でも差し色ではなく実売で動いた。春夏はシャーベット系、秋は赤やオレンジ、アニマル柄などの明るい暖色系やプリントものが必須に。コンビが鮮やかなバイカラー、マルチカラー系ヒットした。
 

ビッグトート 
レディス・メンズ
 レディスではセリーヌ“カバ”の影響を受け、大ぶりのざっくり系トートがよく売れた。シンプルな一枚革からチェーン手ヒモまでデザインは幅広い。メンズでも同様にトート人気は加速し、オン&オフシーン問わず持てる汎用性が人気になった。
 

デジタルガジェットケース  
メンズ・レディス
 スマートフォンやタブレットなどの普及で、デジタル機器を収納するケース類が充実。ベーシックデザインに加え、毎日目に触れるものだからこそ明るいカラーや、クラッチ風のバッグライクなデザインが人気に。
 
「RELATE」(井野屋) 
メンズ・レディス
 久しぶりに元気ブランドが登場した。扱い店舗はまだ少ないが、売場ではポップで鮮やかなカラーが映える。男女問わず持てるデザインや客層が広いのも人気で、まさに“ノンジェンダー”なブランド。値頃プライスながら日本製の打ち出しも人気に。
 
トラベル系 
レディス・メンズ
 去年の震災で手控えていた旅行を振り替えた人が多かったことで、今年はトラベルが特需となった。スーツケースも軽さや素材感で高単価なものまで広く動き、また布帛のボストン系もヒットした。
 
キャンバス素材 
レディス
 今年はキャンバスやコットン、麻ベースのアイテムが人気に。クラシックなプリント、革付属、カラー展開など定番を脱したタイプが新鮮だった。堅牢なイメージを払拭しレース使いやカラフル化でガーリッシュな雰囲気も人気の要因に。
 
ハードディテール 
レディス
 今年はロンドンテイストが広がったこともあり、スタッズ、角ビョウ、ビジュー使いなどのハードなディテールがバッグにも登場した。ティーンだけでなく大人も持てるスタイリッシュなデザイン性がポイントになった。
 

ミニショルダー 
メンズ
 ネクスト・ボディバッグとして期待される「ミニショルダー」。かぶせ付きや天ファスナーで、iPodが入る程度のサイズ感がポイント。背中ではなくお尻の辺りでちょこんと斜め掛けする。ジャケットにも合う大人っぽさが重要。
 
コンサバ系 
レディス
 今年はトレンドがナチュラルから一気にきれい目テイストへとシフト。クラシック系、モード系含めた甘さを抑えたコンサバが浮上した。けん引する主力ブランドはまだないものの、キラキラした素材感やタッセル、金具使いなど大人っぽいディテールがヒット。
 
ポシェット財布、ビッグ財布 
レディス
 財布のデザインバリエが拡大し、手ヒモ付きやスマホポケットなどの多機能財布がさらに拡大した。ランチタイムや旅行シーンでも活躍した。配色や素材感にもこだわり、エンベロップ(封筒)型、薄手がま口などバッグに近づいたデザインも人気に。