今月の記事・ピックアップ 2013・6
 HOME > フットウエアプレス >  機能アップ、単価アップする「デイリー」 売場レポート
売場レポート

 グリーンボックス 品川シーサイド店

日々はく靴にこそ機能性を求める

 カジュアルシューズの売上げが非常に伸びている。レディスではミセス124・3%、シニア144・6%(いずれも4月対前年比)と驚異的だ。秘密は品ぞろえを変えたことで、3か月前に「アキレス ソルボ」「スポルス」の2ラインを入れている。よく知られたウオーキングシューズで、1万円を少し超える価格だが、これが幅広い層にデイリーユースとして選ばれている。
 このほか、カッター系シューズの動きもいい。アディダスの「ネオレベル」は、フロントのシューレースがアクセントになっていてかわいく、ローヒールなので子育て中のママでも気軽にはける。価格は5145円。エドウィンがOEMでつくっているデッキシューズは、価格も3980円とお得感がある。クッション性もよく、機能的に配慮されている。さらに、ミセス向けでは牛革より柔らかなシープスキンのサンダル(3980円)を提案している。メイドインジャパンでこの価格ということで、かなりお得感がある。「2世代、3世代ともに来ても楽しめる売場」を」ということで幅広い顧客層に対応するために工夫している。
「普段はく靴でも、機能性やはきやすさを重視する傾向がはっきり出ています。行けば必ず何かあるという安心感を大切にしたい」(仲地宗親さん)
 メンズでも、カジュアル部門が伸びている(メンズヤングカジュアル部門4月の実績が、昨年同期対比151・2%)。もともと楽天の本社もあるビジネス街なので、ON/OFFを同時にこの店で、という提案をしている。「チャーキーズ オム」はグリーンボックスのPBで、カジュアルスタイルに合わせたドライビングシューズ。本革使用で6980円と価格は抑えめだ。バックスキンだが、ソールをホワイトにすることで夏仕様となっている。
 売上げを押し上げているのは、今年から取り組んでいる「クラークス」の存在もありそうだ。デザートブーツなど価格は2万円を超すが、30〜40代に人気のあるブランドである。
同店はビジネス街にあるだけに、メンズが23%と多い。メンズは季節感がそれほどないだけに、「デイリーカジュアルシューズの強化は、新しい取り組みになりそう」と力を入れている。




 シューマート 足利店

オリジナルのレディス向けカジュアルシューズに注力

 販売単価を高めに見込める品ぞろえをめざし、シューマートがオリジナル商品として企画・販売しているレディス用カジュアルブランド「ラフィール」。価格は8295円。機能にこだわった革のカジュアルシューズというのがポイントで、同店が今まで苦手としていた30〜40代をターゲットにした。品ぞろえはパンプスを中心だが、黒のビジネス用パンプスなどはない。
「OLさん向けのパンプスは5000円くらいが売れ筋価格の上限になる。それ以上の単価のものを購入していただくにはカジュアルのほうが向いているということですね」(柴崎 昌彦店長)
 特色はインソールまわりを中心に、5つの「ラクチン」ポイントと呼ばれる機能が搭載されていること。革も柔らかく、はき心地を左右する反りのよさにも力が入れられている。「足利店ではこの商品に不良が発生したことはない」という高い品質もセールスポイントだ。これらの特色は商品を陳列しているだけでは伝わりにくいので、実物の靴の断面にポイントを記載したPOPなどで販促につなげている。こうした企業努力により、現在「ラフィール」は狙いどおり30代前半〜50代の層に売れている。年齢が上の層にはドライビングタイプのものがよく売れるそうだ。
 コンフォート系では、スポーツウォーキング的なイメージではあるが「ワークストラベラー レディス コンフォートシューズ 4583」がよく売れている。クッション性のよさもあるが、革であるということで付加価値の高さが受け入れられている。「この靴が好きな人が多い。『ラフィール』もそうですが、革はひとつの流れになっているところがあると思う」と店長の柴崎氏は革人気の高さを語る。売れ筋の価格帯は5000円〜1万円以下というところだそうだ。
ウォーキングシューズでは、ヨネックスのパワークッションで1万3500円クラス、ムーンスターのスポルスが1万円クラスと、ネームバリューのある付加価値のあるシューズが売れている。「販売価格のボリュームゾーンは1万円以上ゆくと思う」とのこと。購入者はほどんど女性で、年齢層は40代後半から60代が中心となる。ウォーキングシューズにおいてもレディスものは勢いを感じるところだ。この価格ゾーンからぐんと下がって値段が1980円のゾーンになると若い人が多くなるという。





 マーレマーレ デイリーマーケット 武蔵小杉東急スクエア店

若い層でも足入れのよさが不可欠要素に

 東急およびJR武蔵小杉駅の駅ビル、東急スクエアのグランドオープン(今年4月2日)と同時にオープンしたデイリーシューズショップ。オープン当初から順調な滑り出しを見せている。日中や土日は20代後半〜30代前半のヤングミセス層、夕方以降はOL層、学生層がメインとなる。
GW前などレジャー時期によく動くのがスニーカー類だ。カラフルなデザインにプラスして、中敷きに2層クッションが入ったスニーカーが人気だ。
気温が上がってきてバレエシューズが伸びている。今シーズンはとくに、素材やカラーのバリエーションが多く、涼しげな雑材や生地系、柔らかい合皮系などが好調だ。また、カラーは従来なら若い層だけのものになっていたオレンジやイエロー、ブルーなど、「たまには明るめの色をはきたい」と、ヤングミセス層がカラーアイテムを要望するようになってきた。
「バレエシューズは底が薄く、疲れやすいので、中敷きにクッション性があるほうがよい」といった要望も目立ち、中敷きに厚めの低反発クッションを使ったものに人気がある。これまで、足入れのよさやクッション性、生地の柔らかさはヤングミセス層の必須条件だったが、若い層もデザイン性やファッション性にプラスして、足入れのよさが不可欠要素となりつつある。
 サンダルは5月上旬から売れ始め、これからが本格化しそうだ。
「これからの時期、サンダルが動くと思います。足入れのよさなどをアピールしながらファン層を広めていきたい」(土井英姫マネージャー)。
春ものの延長線上で、カラー展開を充実している。とくに同店の手染めシリーズは独特の風合いや手の込んだデザインが人気で、ファンも多い。今シーズンは、とくにビビッドなオレンジやブルー、ピンクといったカラフルなサンダルが好調だ。