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「子供靴」 FHAが教えるフィッティング

子供靴の選び方 ─足に合ったシューズはこう見分ける!

 一般社団法人・足と靴と健康協議会(FHA)では、4年前から「幼児子供シューフィッター」講座を開講し、すでに125名の子ども靴専門のシューフィッターを世に送った。まだやわらかい子どもの足とそれに合わせる靴は、大人のフィッティングとは異なる点が多い。売場での接客に役立つフィッティングのポイントを、FHAの俣野好弘主任研究員に解説してもらった。


1.子供の足は大人の足とは違う

 乳幼児の足のレントゲンを撮ってみるとわかるが、足には軟骨部分が残り、完全に固まっていない状態。そのため、欧米ではよく革のブーツを子どもたちにはかせているが、これはくるぶしの上まで包み込んで関節をぐらつかせないためだ。少なくとも小学校にあがるまではブーツタイプの靴を選んだほうがいい。






2.成長期にはO脚からX脚に

 オムツをつける新生児期の膝はO脚状。歩行開始後は急速に矯正され、その後逆の変形を生じ4〜5歳でX脚になる。これも自然に治り、6〜7歳で正常となるので全く心配はない。乳幼児の足は偏平足に見えるが足に脂肪が付いているためで、こちらも心配はない。






3.子供の足の成長は早い

 幼児子供の、足だけでなく身長全体が成長する季節は、1年のうち4月から9月の半年で、年間の3分の2、10月から3月の半年で3分の1であるといわれている。足は一般的に年間10oほど伸び、20oも伸びる時期もある。少なくとも年に2回は計測したい。





4.はきやすい靴を選ぼう

 はきやすい条件は次の通り
1 カウンター(かかと回りの芯)がしっかりしている
2 つま先が足型の形をしていて、指先に十分な厚みがある
3 つま先が上に十分反っている
4 第一趾と第5趾の付け根部分が十分に曲がりやすい
5 底材がしなやかで弾力性がある
6 ひもや面ファスナーでしっかり甲を留められる
7 アッパーの素材はしなやかで吸放湿性にすぐれる





5.大きさにも注意

 つま先の余裕(捨て寸)に成長分を加えてサイズを選ぼう。「すぐ小さくなるから」と大きすぎる靴を選んでは、足が靴の中で滑ってしまう。目安は次の通り(単位はセンチ)。捨て寸と成長分をプラスしたものが実は適切な大きさである。ただし、ジュニアになると成長に個人差もあるので注意が必要だ。



6.学校ばきの靴について

 学校で上ばきとされている靴(バレエシューズなど)は、あまり調整が効かないデザインが多いので、足に合ったサイズを選ぶようにしよう。


取材協力:一般社団法人 足と靴と健康協議会