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 エスペランサ コーズウエイベイ そごう店

香港のOLは日本より少しガーリッシュ

中国バブルに支えられた香港

 コーズウエイベイは香港の2大繁華街のひとつである。エスペランサがその中心部にある百貨店、そごうに出店したのは1999年。わずか5坪の店舗だが、日本円で年間1億円を売り上げる。香港には4店舗あるが、文句なしのトップ店舗だ。立地はそごうのB1階で、小規模のショップが並んでいる。しかし、香港の人々の購買意欲は高く、訪れたのは平日の午後にもかかわらず、ごった返すほどの人気であった。
 香港の経済は中国バブルに支えられてきたといえる。金融の街であるから、リーマン・ショックの影響もあるにはあったが、落ち込みは一時だけ。エスペランサでは日本から4割程度の商品を入れていたが、円高が進んでから、中国での生産比率が高くなった。現在では7割が中国からの商品となっており、比率を戻そうと努力中だ。
 顧客層は20~40代のOLを中心に幅広く、価格帯は日本円で7000~1万円。トレンドは日本とさほど変わらないという。
「日本のOLさんより、リボン、レース、水玉など少しガーリーなものを好む傾向にあります。好調なのは中寸のエナメルで、日本とほぼ同じ。特にアジア企画というものはありません。亜熱帯という土地柄、サンダルのニーズは高く、5月から10月まで動きます。旧正月が終わると暖かくなるので、すぐにサンダルが店頭に投入します。一方で5~9月は雨期で雨が多く、スコール的にざっと降ってくる。そのため『雨に強い靴』というのが大きなセールスポイントになってきます。ブーツは高額になりますから、長期間店頭に置いています」(マネージングディレクター・水田吉彦氏)。

はっきりモノをいう香港気質

 スタッフは6人、店長もサブも10年になるというベテランだ。接客の際は①あいさつ ②お探ししている商品は何かを知る ③お客さまの欲している商品情報を提供する ④ほかの商品もご説明する ⑤お客さまに楽しんでもらい、顧客になっていただく、という5つのポイントを大切にしている。
ところで、香港の顧客は、日本と異なる特色を持つようだ。
「申し訳ない、という気持ちはなく、『素敵だけれど足が痛いわ』などとはっきりおっしゃるし、断るときもきっぱりと断られます。スタッフもどんどんお勧めする。購入の段階で汚れなどないかどうか、詳細に検討。商習慣の違いで、香港では返品できないことが多いからです。逆に、後からクレームが来ることはありません」(丸山薫マーチャンダイザー)。
 エスペランサが香港に出店して31年。今後も状況を見て、百貨店系に出店していく計画だ。中国本土にも出店しているが、こちらは現在再構築中。「カラフルで元気の出るショップ」が香港にはあまりないだけに、今後が期待されている。


 エスペランサ コーズウエイベイ そごう店
B1 SOGO, 555 HENESSY ROAD, CAUSEWAY BAY, HK.
TEL 001-010(852)2831-8568