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 HOME > フットウエアプレス > 「いまどきミセス」の攻め方 お客さま目線の売場づくりで集客 

 
 坪谷聡子/アジアリング

どの売場でも同じではあるが、特にミセス売場では、ハード、ソフトの両面で「お客さまの目線で考える」サービスが求められる。その点をきちんと見直してみたい。

 見やすい陳列、楽しい陳列
 ミセスは商品を見る目は厳しいが、自分が気に入ったモノにはきちんとお金を出して下さる方が多い。そのため、商品の良さをしっかりと伝えられる陳列が必須だ。
 詰め込み型の陳列では、商品のディテールが分からず、良さも分かりづらい。遠目からでも商品が魅力的に見え、思わず近寄っていき、手に取り、試しばきをしてしまう、という一連の行動が出るような陳列を心掛けたい。また、詰め込み型で陳列されている商品には、お金を掛けたくないという消費者心理もある。良い商品を、きちんとした価格で販売するためにも、見やすい陳列は欠かせない。
 見やすいだけでなく、「この靴をはいたら、どんなにステキになるだろう」という想像が膨らむような、楽しさを演出する陳列も必須。単に商品を並べるのではなく、お客さまがその先を考え、楽しめることも考えよう。

 ゆったりとした空間
 陳列だけでなく、通路、椅子などの全ての空間に、ゆったりとした余裕が欲しい。
 ミセスは商品をしっかりと見極め、納得してから購入したいと考えている。特に靴にはこだわりをお持ちの方が多い。そういうお客さまは、心置きなく商品を選びたいものだ。ゆったりとした空間で、心豊かに商品を見られれば、商品への納得度も高まり、購買に繋がりやすくなる。逆に狭いところでは、心の余裕もないままに商品を選ばなくてはならないので、お客さまの納得度は低くなり、購買価格も低くなる。売上げと利益を上げるためにも、ゆったりとした空間は必要なのである。
 試しばき用の椅子も、一人用の椅子よりも、ソファーの方がゆとりがあり、座り心地も良い。
 通路は幅を広く取るだけでなく、物を放置しておかないという基本的なことも重要だ。

 ていねいな接客
 ミセスのお客さまは、スタッフの態度にも厳しい。基本的なことだけはきちんとしておかないと、お客さまからの信頼を得られない。
 まずは言葉遣い。お客さまに対して敬語で話せないのは、接客業として失格だ。「親しき仲にも礼儀あり」と言うが、密接な関係になってから、敬語を基本として、少し崩すのはアリだが、最初からタメ口で話すのは無理だ。特に若いスタッフがミセス客に向かってタメ口は、許されない行為と言わざるを得ない。
 他にも、挨拶をしっかりとすること、お客様の話をきちんと聞くことなど、接客の基本中の基本を守ることが必要だ。



 豊富な商品知識、的確な技術
 ミセスのお客さまは前述のように、商品を厳しい目で選ぶ方が多い。その際に重要な役割を果たすのが、スタッフの商品知識だ。
 商品の長所・短所を含めた特徴を、的確に伝えてもらうと、商品選択の際に非常に役に立つ。悩んでいることがあれば、その一言で解消し、購買につながることも多い。お客さまは自分を納得させてくれる一言を待っており、「買う」ことを後押ししてもらいたいと思っている。その手助けのために、商品知識が不可欠なのだ。
 商品知識だけでなく、パッキングなどの技術があれば、なおさら購買につながりやすい。ミセスのお客さまは、良いモノを長く使いたいと願う方が多い。パッキングでストレスを無くし、長くはけるようにしてくれる。お手入れ法を伝授してくれて、長く愛用できるようにしてくれる。こういう技術が、お客様の信頼を導いてくれ、固定客となってくれるのである。