今月の記事・ピックアップ 2013・11
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 小田急百貨店 新宿店 (東京・新宿区)

 コーディネートの幅が広いスニーカータイプが好調

9月の売上前年比は、「ノーネーム」133%、「ルコック」123%、「アラボン」117%など好調に推移しており、スタイリッシュコンフォート全体も順調に伸びている。
 ノーネームはヒールアップスニーカーのなかでもトレンド要素が強く、スカート、パンツなどさまざまなスタイルにコーディネートでき、おしゃれな点が人気の理由となっている。これは、従来のスニーカーになかった要素だ。今シーズンはラメ使いのデザインが新しく導入され、さらに人気をよんでいる。ノーネームの定番であるヒールアップから、次のスタイルとして厚底のフラットフォームが提案され、こちらも大きな伸びを見せている。
 また、ルコックはスニーカー的なデザインでありながら、デイリーパンプスの要素も兼ね備えている点、さらに軽量+クッション性があることが人気の最大の要因だ。パンツだけでなく、スカートにも合わせられるデザイン性がコーディネートの幅を広げている。今シーズン提案したヒール付きデザインも好調だ。

機能に対する信頼感の高い「アラボン」

 一方、アラボンは、スタイリッシュコンフォートの定番的なブランドとして継続して人気が高い。これは、ニューバランスのテクノロジーが搭載されているため、機能的に信頼がおける点が大きい。造りのよさ、持ちのよさ、安定性、グリップ性などからリピーターが年々増えている。リピーターに人気の高いデザインは、スリッポンタイプのマニッシュ的なデザイン。今シーズンはスエード素材やバレエシューズタイプなど、トレンドものも増え、さらに人気を呼んでいる。
 機能性パンプスでは、「ジーロ」や「ロックポート」のほか、「アラボン」も充実。機能性だけでなく、ファッション性にも優れている点で顧客の評価が高い。「ジーロ、ロックポート、アラボンの機能性パンプスはまだまだ伸びる可能性が大きく、これから機能はもちろん、デザイン性も勝負できるラインとして認知度を高めていきたい」(婦人靴・バッグ・特選雑貨Div.・山本薫アシスタントバイヤー)。
 

 


 渋谷東急 本店 (東京・渋谷区)

 スタイリッシュ・コンフォートを拡大、旅行ばきを提案

ミセス層が強い同店のミセスコンフォートは、上期(2月〜7月)の売上が前年同期比130%と好調に推移している。要因は、東急東横店の婦人靴・コンフォート売場の縮小に伴い、顧客が同店に流れてきたものとみられる。これまで、スタイリッシュコンフォートと位置づけているブランドは、「アラボン」と「ビューフォート」の2ブランドだったが、東横店の顧客層を見込んで、この8月から新たに「アジーレ ルコライン」と「ティエリーラボタン」の2ブランドを導入。特に、「ルコライン」はブランド力があるため、スタイリッシュコンフォートを求める人だけでなく、きれいめスポーティーを求める層からも多数支持を得て、伸びている。
スタイリッシュコンフォートを購入する際の大きな目的のひとつは、旅行時での活用だ。「旅行に行くから歩きやすくて、ホテルのレストランにも対応できるおしゃれなデザインがほしい」という声が多い。この層には、ウエッジヒール系でモチーフ付きのデザインが人気だ。
スタイリッシュコンフォートをスカートにコーディネートしたいという層も多く、「ビューフォート」のエレガントなデザインが人気となっている。

エレガンスなデザインが人気

全体には、エレガンス傾向のデザインが好まれてきている。以前は、ストラップが太めのデザインがよく出ていたのが、ここにきて、細めのストラップに移行している。また、以前は、歩きやすい靴=ペタンコ靴というイメージがあったが、歩きやすい靴のイメージが変わりつつあり、最低でもヒール高3cmはほしいという声が強い。ヒールの高さは3〜5cmがよく動いている。人気のカラーは黒、ブロンズなど。また、起毛素材も好調だ。
「スタイリッシュコンフォートはまだまだ伸びる可能性を持っているカテゴリーで、新しいブランドを導入して、これからさらに注力していきたい。インポートのモダンなデザインとスタイリッシュコンフォートの橋渡しができるブランドとして、今回導入したアジーレルコラインとティエリーラボタンに期待しています」(婦人靴・腰塚笑子さん)。