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主要バイヤーが集まり、盛んな商談の場に

 
 2014年春夏国際靴&雑貨見本市GDSが9月11日から3日間の日程で、併催展のグローバルシューズが9月10日から4日間の日程で開催された。
 GDSには36ヵ国から815社、グローバルシューズには15ヵ国から341社が出展した。「アッパースタイル」ゾーンの4号館では、ポルトガル靴工業会の支援で若手デザイナー8ブランドが出展、次世代ブランドをPRする絶好の場となった。
 2万1000人が来場し、ドイツ国外からの来場が半数を占めた。その80%が決定権を握る重要バイヤーで、商談目的が強い展示会であることを裏づけている。
 今回は日本人来場者が2日後に開催されたミカム展へ移動する一方で、前回は来場を控えたイタリア・スペインのバイヤーも多かった。
 初日のオープニングを飾るファッションショーには、ゲストとして女優のリーザ・トマシェウスキーさんを迎え、来シーズンのスタイルをランウエイで発表した。



15年春夏展から一新される日程、展示内容

 展示会2日目に、2015年春夏コレクションからスタートするGDSの新しいコンセプトについて記者発表会が行われた。
 以前から展示会開催日程について出展社との意見交換が行われていたが、2015年春夏コレクションが1ヵ月早い14年7月30日から8月1日、秋冬コレクションが15年2月4日から6日までの日程に決定された。
 同席したジャーナリストからは、ヴァカンス前の時期であることや弱小企業や専門店にはデメリットになるのでは、など活発な質問が飛び交った。
 日程のみではなく、展示会の内容も大きく変わる。「15ミニッツ・オブ・フェイム」「3ワールド・オブ・シューズ&アクセサリー」「1シティ・ユア・フィート」と全体のコンセプトを大きく3つに分け、「ショップ」「プレス」「メーカー」がともに相乗効果を狙えるような展示会を目指す。
 「15ミニッツ」では、各出展ブランドにスポットを当て、来場者へのPR効果を促す。
 「3ワールド」では、会場のコンセプトを スタジオ、ハイストリート、ポップ・アップの3つに分け、明確なコンセプトの中で回遊出来るような効果を狙う。
 「1シティ」では、市内のショップなどでイベントやパーティーを開催、GDSとデュッセルドルフの街を一体化し、展示会を盛り上げる。




 人気トレンド

ライトブーツ、フラット&スポーツ・ハイブリッド

 カジュアルなサマーブーツ、フラットなサンダルやローファー、ハイブリッドなスニーカーやヒールから開放された快適スタイルが目立つ。
 北ヨーロッパへマーケットに強いGDSでは、特にサマーブーツが人気。トレンドではメタリック系が注目されているが、実際に売れるのはスエードやヌバックとバイヤーの目は堅実だ。

ライトブーツ

 ソフトレザーやヌバック使いのショートブーツが、サマースタイルで提案されている。メッシュ、パンチング、刺しゅう、スタッズを取り入れ、クリーン&カジュアルな仕上げに。メタリックはファッション上級者向き。


フラット

 「ポインテッドフラット」「サマーローファー」「プラトーソール」など、フラットなスタイルがトレンドとして提案されている。スポーティーマインドがさまざまなフラットデザインで表現されている。



スポーツ・ハイブリッド

 テニス、ジョギング、バスケットなどのスポーツスニーカーが、さらにファッショナブルに進化したスタイルで登場。レトロシック、ビンテージの感があり、素材やカラーも自由にミックスされている。




 好調ブランド
「ガボール」
サマーブーツでトレンドを打ち出す
 「メタリック」「ローヒール」「サマーブーツ」が今シーズンのトレンド。グリーンやピンクなどパステルカラーの中で、シルバーやゴールド使いのシューズやブーツがイチ押しアイテム。コレクションの中心は5〜7センチのミディアムヒール使い。アンクルブーツやショートブーツなどライトでソフトなブーツや、スタッズやメタリック使いのスニーカーも人気だ。


「マーク」
アクセサリーを使って提案する

 オリジナルアクセサリーを使ったバレリーナやブーツを新しく提案。ファッション系のバイヤーにメタリック系は人気だが、ほかにベージュなどのニュートラルカラーも好評。
 今シーズンは、以前から提案されているポインテッドトウが注目されており、特にフラットなアイテムの動きがいい。









「ガンター」
新鮮なカラーリングを見せる

 「エナメル」「ブルー」「白×黒」が今シーズンの新しい提案。ミントカラーも新色として登場し、全体的にクリーンなカラーリング。キャンバス使いのスニーカーやトレッキングサンダルも、人気のアイテムだ。
 「ハッシア」もカップインソールのバレリーナやサケット製法のモカシン、ワイズがジャパンサイズのバレリーナなどはき心地をより追求した商品が充実している。

20.年々ファッショナブルになる「ガンター」
21.「ハッシア」は快適エレガントが充実







 ブランド紹介

「グアバ」
コンセプトはジオメトリック

 ポルトガルのヤングデザイナーエリアで出展した「グアバ」は、今回が2回目の出展。前回に比べて回遊率の高い4号館で多くの反応があり、満足した様子。
 デザイナーのイネスさんは、カレッジオブロンドンでプロダクトデザインを学び、ジミー・チュウで働いた後、自身のブランドを立ち上げた。ヨーロッパ、アメリカの高級ブティックで販売されているが、日本ではまだ取引がなく、今後日本で販売したいと語る。ショップ価格200〜300ユーロ。



「パシャ」
ラグジュアリーなヌーディサンダル

 レザーサンダルにさまざまなジュエリーやストーンを施した「パシャ」は、すべてインドネシアで生産されており、アクセサリーもインドネシア産。
 会社は香港にあり、オーナーはインド人。サマー商品なので、展示会はマイアミ、ロサンゼルス、GDSに絞っている。
 鼻緒の裏はレザーでクッション性を持たせており、足を痛めることはない。ヒールアップサンダルもはき心地がよく人気がある。卸価格44ユーロ。