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人気のメタリックレザーとビロード調の表現


出展社、来場者ともに増加

 10月8〜10日の3日間、2014〜15年秋冬素材見本市が、イタリア・ボローニャ見本市会場で開催された。出展社は43ヵ国1160社(イタリア787社、国外377社)で、前年同期より40社増加した。内訳はタンナー545社、アクセサリー・コンポーネント468社、ノン・レザー125社、デザイナー、学校、その他22社となった。
 来場者も2万0200人で、前年対比6%増とポジティブな結果となっている。来場者は104ヵ国にも及び、主要国はドイツ、スペイン、中国、ポルトガル、日本、アメリカ、東ヨーロッパで、イタリア国外からの来場者がイタリア国内からの来場者を上回った。
 高級商品を扱う来場者(メーカー、デザイナーなど)との商談は活発化しているが、有名ブランドの原皮の買占めなどで昨年から革の価格が上昇しており、値段の安い原皮を加工で付加価値を付けた革が多く提案されていた。

日本での需要高まる植物タンニンレザー

 トスカーナの伝統的な革である植物タンニンなめしレザーは、日本での人気が高く、植物タンニンなめし協会では重要市場と位置づけている。
 「バダラッシ」「コンチェリア800」「テンペスティ」は、コンスタントに受注を受けており、「ラ・ブレターニャ」では大手企業2社との取引が始まった。 
 先日、「レ・クイール・パリ」で第2回「クラフト・ザ・レザー」の入賞者が発表され、今回はヒコ・みずのジュエリーカレッジの吉川英佑さんが入賞した。
 革を提供した植物タンニンなめし協会のメンバーの「ラ・ペルラ・アズーラ」では、レベルの高い日本人学生の作品を目の当たりにし、「日本市場にさらに関心が強まった」と語っている。


素材傾向

高級感を醸し出す素材
 全体的にシックな印象を受けた今回のコレクション。霧をイメージさせるようなぼかし加工、深みのある色合い、冬のトーンがさまざまな形で表現されている。
 人気のエナメルはより深みを、メタリックは進化したビンテージ、深みのある色の表現、なめらかな触り心地、ビロードを連想させるような高級感ある仕上げが今回のポイントのようだ。
 モチーフでは、ハイテク感をにおわすジオメトリックパターン、シックに仕上げたヒョウやスネーク柄にも注目だ。


 Leather Trend レザー・トレンド
 
   深みのある色合い

 雲や霧を連想させるぼかし加工で温かみのあるナチュラルトーン、深みのあるブルー、グリーン、バイオレット。高濃度の「ウィンターレッド」はポイントカラーとして活躍しそうだ。




   立体感のある加工

 上質なレザーはソフトでなめらかな仕上げでシンプルに、加工では深みのあるエナメルやメタル調、ブロンズでさりげない高級感を出している。
 トレンド社では、細かなジオメトリックパターンを採用した立体感のある素材が人気で、シャイニーとマットの両方を提案している。




 ブラック×ホワイト、ジオメトリックパターン

 「ブラック×ホワイト、グレー、シックな色にゴールドをプラスした物がトレンド」と語るのはフォンタネッラ社。寄木細工、ジオメトリックのモチーフはノン・レザーでも人気のようだ。







 Parts パーツ
 ボリューム&ライト

 ボリューム感を保ちつつも、さらに軽量化されたソールが提案されている。「マルタック」は石のようなデザインのストーム入りラバーソールを、「ヴィブラム」では従来のグリップ性を保ちながらさらに20%軽量アップした「シティライト」を発表。