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ユナイテッドアローズ新靴業態「ボワソンショコラ」本格始動



 ユナイテッドアローズの新ウィメンズシューズ事業「ボワソンショコラ」のショップ展開が、3月から本格的にスタートした。3月14日に船橋店(ららぽーとTOKYO−BAY南館)、4月3日に吉祥寺店(アトレ吉祥寺)、26日に丸の内店(丸ビル)と3店舗が続々とオープン。ユナイテッドアローズにとっては、「オデット エ オディール」に続く2番目の靴専門事業となる。ボワソンショコラを立ち上げた背景を、第二SBU本部BC部・副部長横田健一郎氏は次のように語っている。
「もともと、オデット エ オディールのネット専用ブランドで、2010年ごろから販売を始めていました。中心は価格1万円弱のプレーンパンプス。ネット内で非常に反応がよかったので、ステーションストアで一部展開したところ、お客さまが増えてきました。そこで、昨年4月に事業部を立ち上げ、本格展開することにしたのです。3店舗が出店する館はそれぞれ異なる業態・立地です。この3店舗でまず動向を見極め、しばらくは関東中心に展開するつもりです」。

ベーシックアイテムを、素材とカラーのバリエーションで見せる

 コンセプトは「SHOES MAKE YOUR DAYS SPECIAL(あなたの毎日を素敵にする靴を。)」。ユナイテッドアローズでいうところの「ミッドトレンドマーケット」をターゲットにしている。エッジを効かせているというよりは、もう少しこなれた形でトレンドを柔らかく抑えており、20〜30代前半のOL,働くミセスのための靴である。
 価格帯はパンプス9500〜1万円前後、フラットシューズ6500〜8500円、デザイン性の高いラインで1万1000〜1万4000円などで、オデット エ オディールより低くなっており、PU素材が大半で買いやすい。構成はパンプスが3割、フラットシューズが3割、サンダルやブーツなどのシーズンアイテムが4割。強みはデイリーにはけるベーシック商材を軸に置いていることで、プレーンな形をカラーと素材で見せていく。
 これがよくわかるのが、現在展開されているプレーンなパンプスだ。ヒール高は4・5センチと7センチで、ひと足先に開店した船橋店では4・5センチのほうが好調だという。現在エナメルで9色、スムースのPUで4色、さらに布地のものが3色加わっていく。今期はベーシックなネイビーやベージュのほかにイエロー、グリーン、オレンジっぽいレッド、白などをトレンドカラーとしてとらえている。さらに別売でビジューやリボンなどのシューアクセサリーを販売しており、プレーンパンプスをお出かけシーンにも対応できるようにしている。
 また、フラットシューズでは、最近人気のスリッポンタイプからバレエシューズまでをそろえ、グリッター加工やオリジナルのパターンなどで見せていく。商品はほとんどがケミカル系シューズで、それだけに価格も抑えられ、バリエーションもそろえやすい。企画はユナイテッドアローズ自社内で、海外と神戸のメーカーに発注している。
 さらにバッグやブレスレット、ヘアゴムなどの雑貨もバイイング、レジ回りなどに配置し「プラスワン」をねらっていく。

パティスリーのようにデイリーに立ち寄ってもらえるショップ

 開店したばかりの吉祥寺店を取材した。
店舗面積は21坪(同業態の標準面積は20坪)で、「気軽に立ち寄ってもらえるように」パティスリーをイメージしてつくられている。棚上の価格表やPOPも、パティスリーそのもの。定位置にお気に入りのスイーツやパンがあるように、いつも同じ位置に定番品を置いて安心感を誘う。シューズボックスにも工夫を凝らし、ショップの壁面カラーの薄いグリーンと同じ色を使っている。
トップセレクトショップであるユナイテッドアローズ。その接客も、つねにトップクラスであることで知られている。だが、横田氏は、「最初はブランドを知っていただくことが大切。お客さまが求めている接客がどのようなものか、考えていきたい」としている。吉祥寺店は、5人のスタッフでスタート。靴の販売経験者が多いという。
 では、ユナイテッドアローズのような、アパレルブランドを多数持つセレクトショップがつくるシューズブランド、もしくはシューズショップの強みとは何か。
「お客さまのスタイリングを軸に考えることでしょうか。ファッションの潮流、服や素材などのトレンド情報が大量に入ってきます。そのシステムが整っており、トレンドを押さえた企画ができるのが、やはり強みだと思います」。
 時のファッションを押さえた提案とネームバリュー、さらにリーズバブルな価格提案が、ボワソンショコラの強みになっている。