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コンフォートの新スタンダード
この店の売れ筋、ヒットの理由

小田急百貨店 新宿店(東京・新宿区)

ハイブリッドシューズを新たにゾーニング



 今秋、小田急百貨店 新宿店の婦人靴売場は、さらに進化を遂げようとしている。特に注力しているのが、ファッション性とはきやすさを備えたハイブリッドシューズである。
「昨年あたりからハイブリッドシューズが頭角を見せ始め、今年はブームとして広がってきたようです」(婦人靴・バッグ・特選雑貨Div.・山本薫アシスタントバイヤー)。
 9月には、ハイブリッドシューズをゾーニングし、新たに顧客にアピールしていく。ブランドは、「サクセスウォーク」「ジーロ」「ロックポート」「カグラ」「コカ」などである。
これまで、これらのブランドは、ブランドごとに平場に散在していたが、新たにハイブリッドシューズとしてゾーニングすることによって、さらに存在感をアピールできる。
価格は2万円平均で、通常の婦人靴より約2割高いのにもかかわらず、4〜7月の売上げは対前年比120%弱と順調に推移している。売上げ実績からも上昇の人気は明らかだ。
売れ筋のキーワードは、白、ピンクベージュ、ラグジュアリー感のあるラメ・箔使い、ポインテッドトウなど。ヒール高は5pが強いが、はき心地がよいこともあり、7pも増えている。

ショップ導入でさらに話題づくりを

 秋から本格的に展開する「メディカエスコート」は、同店限定カラーがあり、期待商品の一つである。さらに、「最先端の高機能」×「美観」を融合させたダイアナの「タラントン by ダイアナ」ショップ、ドイツのガボールをメインにしたセレクトショップ「トゥールモンド」が8月27日、相次いでオープンした。おしゃれで高機能なハイブリッドシューズがますます話題となる。
「秋冬は期間限定のフェアを数多く繰り広げていきたい。まずはお客さまにはいていただき、はき心地のよさを体感していただくことが先決です」。
9月には、試着プレゼントなど「ハイブリッドパンプスフェア」などを展開する計画だ。













そごう横浜店が開発したパンプスが人気を呼んでいる。2013年春からスタートした人気アパレルブランドの「ボディドレッシングデラックス」がそれで、13年3〜6月間に、1型で180足と前例のない販売数を記録した。その後、ファンは増え続け、14年2〜6月には460足とさらに前年の約2・5倍と驚異的な推移を見せた。
そごう横浜店は14年2〜6月、オリジナルブランドを1万足ほど販売したが、このうちオリジナル婦人靴はトップの販売数を更新し続けており、開発商品11ブランド、49種類で販売数量が1100足を超えた。
 「もちろん人気が出るとは思っていましたが、ここまで販売足数が出るとは予想していませんでした」と、開発の中心になった上級シューフィッターの林美樹さんは語る。

アパレルブランドではきよさを追求

 シューフィッターが開発したオリジナルシューズはこれまでもつくっていた。ヒールは5p以下のストラップ付きのデザインで、はきやすさで売れていたが、「ヒールが高く、ストラップが付いていないパンプスがはきたい」という女性層の声が次第に増えてきた。
そんなとき、上司のアドバイスを受け、林さんは「人気ブランドを店舗限定で開発する」ことに取り組んだ。
 林さんの予想通り、困難な道ではあったが、1社だけ賛同してくれた企業が現れた。それが、「ボディドレッシングデラックス」の靴のライセンスを持つ、モーダ・クレアである。そして、「この靴に感動しました」と顧客に感動を与えるおしゃれで、脱げにくく、痛くなりにくいパンプスが出来上がった。
13年秋にはアパレルブランド「ランバンオンブルー」も加わり、人気はさらに上昇した。今秋には「ボディドレッシングデラックス」「ランバンオンブルー」など、人気アパレルブランドのパンプス、ブーティで、色、素材、デザインを合わせ、58種類の新作が登場する。
 「次に何が出るか期待しています、というお客さまの声を受け、木型は変えないで、素材や色を変化させ新作を出していきます。協力していただける企業も増え、来春には有名アパレルブランドのオリジナルパンプスを加える計画です。開張足に悩む女性が多いので、今後、ますます需要は高くなると思います」と、林さんは張り切る。