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 特集 主な出来事2014 今年の出来事・動き

 地域団体商標スタート

産地ブランド「神戸シューズ」で販売を進める

  3月、日本ケミカルシューズ工業組合(神戸・長田区)が申請していた地域団体商標「神戸シューズ」が登録認可され、秋から販売がスタートした。「神戸シューズ」は、日本ケミカルシューズ工業組合の組合員によって、神戸市とその周辺で製造された靴が対象となり、表示、外観、物性の品質基準を設け、これに合格した商品を認定している。
 これは、日本の靴産地の一つである神戸で生産されたメイド・イン・神戸の商品を「神戸シューズ」としてブランド化することで、産地の活性化を目指したものである。現在、プロジェクトに参加しているメーカー数は32社になる。
 プロジェクトは2006年からスタートした。地域団体商標制度が発足した07年に申請したが、この時は市場での実績が乏しく、認可されなかった。09年に神戸シューズブランド化委員会を作り、地道にPR活動を続けてきた。市場で大きな反響を得たのは12年の大丸神戸店での期間限定イベント販売で、予想以上の売上げを上げ、大丸の京都店、札幌店、松坂屋名古屋店でのキャラバンにつながった。
 J・フロントリテイリングとの取り組み、今秋には大丸7店舗での協業イベントが行われた。同社PBのパンプスやショートブーツを「神戸シューズ」で構成し、プロパーの売場で販売した。60〜120SKUの展開で、パンプス8900〜9500円、ブーツは1万5000円が中心。
 「神戸シューズ」を生産するメーカーと取引が多い神戸レザークロスでは、8月から同社エスペランサの店頭に「神戸シューズ」のロゴプレートを設置、産地ブランドをアピールした。また、日本ケミカルシューズ工業組合としては、市場へのアプローチをさらに強めて、商品のよさを知ってもらい、知名度を上げるため、神戸に専門ショップをつくり、これを大阪、京都、東京へと広げていくことも構想している。

   



 大手チェーンの店舗戦略

新業態の開発でセグメント進めるチヨダ

 チヨダは今年、3タイプの新業態ショップを開発、1つのコラボレーションショップに挑戦した。
3月に「旅、健康、美」をテーマに、オフタイム商品のNB(ナショナル・ブランド)を主力とした品ぞろえで、ライフスタイルを提案するショップ「You −Hola!(ゆうほら)」を、昭島モリタウン(東京・昭島市)にオープンした。大型SCやモール型SCへの出店をねらった業態として、現在2店舗出店している。
 一方、ファミリーをターゲットとしたデイリーなセレクトショップとして開発したのが、「シューズパレッタ」。「チヨダ」のリモデルとして9月下旬から出店をスタートさせており、現在3店舗ある。この業態ではPBとNBのコーナー展開で、オンタイムのカジュアル提案をしている。駅前や商店街など路面立地や、自転車客の多いコミュニケーション型SCへの出店で、来期までに30店舗を目指す。
 大型店では3月、「シュープラザ・パーク」を新たに開発している。リラックスできる買い物スペースを設け、これまでより高めにシフトした価格設定でPB、NBを面で展開している。
 3タイプの新業態では、アイテムやブランドのセグメントを進めると同時に客層も見直し、価格もアップさせている。「ゆうほら」「シュープラザ・パーク」ともに単価のアップが顕著で、チヨダ全社の平均客単価より2000円ほどアップしている。また、女性客の取り込みにも力を入れており、通路幅を広げ、試しばきがしやすいようにソファーを増やすなど女性目線での売場づくりに取り組んでいる。
 コラボレーションショップでは、「シュープラザ」と同社グループアパレルショップ「マックハウス」との複合出店がある。GMSなどの大型売場に積極的に出店するもので、若いファミリーのワンストップ・ショッピングをねらった店づくりで、若者層の拡大ができている。現在2店舗の展開だ。
 
  
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